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「第七回:世界の絡繰」

海の部屋_第七回_掲載写真

2月の満月はスノームーンというらしい。

どうやら2月は雪が多いからこんな名前になったみたいだけど、名付けた人はきっと2021年の東京がこんなにも暖かく雪どころか次々に花が芽吹いていることなんて想像もしていなかっただろうな。
そもそも東京なんていう極東のちっぽけな街のことなんて考えてもいなかったに違いないのだけれど。


月に一度(あるいは二度)しか完全体になれないところも太陽と差別化するためにしばしば三日月にされてしまうところも月の愛おしいところ。

だけど美しいものには棘があるというように月の光は時折閃光となりチクっと胸を刺すみたいで、それは見たくないものまで見せてしまうということなのかもしれない。そして不意に刺さった小さな棘は小さいくせにまあまあ痛いのが厄介なところ。


昼は多くのものが鮮明に映るから、たくさん見えているようで実はひとつひとつはよく見えていないのに対して、夜は限られたものしか目に映らない分、余計によく見えてしまうものだ。

世界の形は何ひとつ変わっていないのに太陽に照らされている昼と月に照らされている夜では別物に感じるように、
きっと世界はそういう絡繰で満ち満ちているのだと思う。
そしてそれは宇宙にある星のようにそこら中に散らばっていて、しばしば偶然を装い降ってくる。


小学生の頃実家のベランダで、大きな青白い火の玉がゴーーっと、流れ星にしてはかなりゆっくり流れるのをみた。
「うわあ!なんだこれ!!すごい」と思ったのだけど、子供ながらに「こんなの見たっていっても誰にも信じてもらえないだろうな、見間違いかもしれないし、、けど絶対見たのに、、」
なんてことがあった。

TwitterもGoogleも、そもそもインターネットを知らない時代だったのでそれが何であったかは全くわからず、長らく心の奥底で”大切なガラクタ”として保管していたのだけど、
ついこの前SNSで天体の写真や動画を上げている人の投稿によってそれが彗星であることがわかった。


その瞬間くすんでいた“大切なガラクタ”は心の奥底でビカビカと光り出して、そのまま光を放ちながらびゅーーーんと空に帰ったような感覚になった。
そうか、SNSではこんな素敵なことも起こるんだね。



ということで、わたしのInstagramが始動しました。日々のまったりタイムなんかをつらつらあげていこうかなと思っております。是非に。

https://www.instagram.com/blue_1.9.9.8



海 (2021.02.27更新)


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