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初めましての方はハジメマシテ、知ってる方はコンニチハ、スキマスイッチのしんたです。
こちらではオヒサシブリ!になります。
というのも、かなりの長い期間こちらの場所が工事中になっておりまして、ひょっとしたら「もうこんな所見てなかったよ!」なんて声も聞こえてくるくらいの状態だったのですが、ちょっとこれじゃあいけないと思い、せっかく自分自身が自由に使える、いわば最強のフリースペースがこんなに立地条件のいい場所にあるなら自分の得意分野でちょっと何かを始めてみようかと思い、こんなコーナーを思いついて提案してみました。ちょっと取っ付きにくいかもしれませんが「どうかしんたに新聞・雑誌のサッカーコラムの依頼を!」を合言葉に頑張っていきますので笑、どうぞ気楽に読みつつよろしくお願いします。

それでは文体を微妙に変えながら本題に入っていきます。
第一回目、よろしくお願いします。


現代サッカーの本質は、と聞かれたら恐らくコンパクトなシステムによる緻密な戦術と答えるサッカーフリークは少なくない。でも実はそういった戦術を生かすための選手個々による戦術理解の他に"状況による効果的なポジションの把握"というのも、システムの機能においてかなりの重要な位置を占めるのでは、と最近特に強く思う。ことこのコロンビア戦に関してはそれが非常に顕著に出たゲームだった。もちろん形としては0−0で無事に引き分けて見事キリンカップを手にし、様々なチャンスを作りつつさらに相手の攻撃を特に危なげなく防ぎきり―もちろんミスに助けられた場面もあるにはあったが―いわゆる好ゲームと呼ばれてもおかしくない試合ではあった。ただしピッチの中、とりわけ選手同士の間(ま)、そして状況に応じた判断をしていたかという点においては、まだまだ機能しているとは言い難かったのも事実であると思う。


ところで、近代サッカ-はポジションの概念が確立している。ポジションの変遷は非常に興味深く、例えばバック一つとってもその時代その時代において流行りの枚数があり、例えば一応現在の主流は3バックないし4バックとなっている。そして一つのチーム、というか一人の監督は1シーズン通して基本的には同じシステムを用い、選手一人一人は自分のポジションを与えられてそこで自分の判断によりゲームを作っていくわけだが、ここで一つ問題になってくるのが、とある選手1人が2チームに在籍した場合、例え与えられたポジションが同じだったとしても、それはチームによっては全く違う仕事を求められてしまうということだ。もちろんFIFAの規定で一人が2チームに登録することはできないが、一つだけ例外がある。お察しの通り、国の代表ナショナルチームである。 そしてこれがコロンビア戦での前半と後半での日本の段違いの動きの差に強烈に関わっていると自分は予想する。


前半は稲本が純粋な形ではないにしろトップ下の位置で起用され、オシムは恐らく配球の役割も多少は担いつつも本来稲本の得意分野でもある体を張った守備で前線からのプレスをしかけ、後ろやサイドの俊輔と遠藤、そしてケンゴによる配球や球回しでボールポゼッションを高め、ゲームの主導権を握ろうと思ったのだろう。しかし元々イングランドでもトルコでもそこまで走るプレースタイルでもなかった稲本は、ボールと選手が連動してポジションという概念が緩くなるオシムのサッカーには合わず、結局与えられた役割を担うことは出来ずに後半羽生に代えられてしまった。しかしこれは恐らく稲本に否があるのではなくサッカーの違いはもちろん、今までの経験や所属チームでのポジションに対して代表での与えられたポジションの持つ役割の違いによるものが大きいのだと思う。


逆にコロンビア戦で機能していたと思えるのが中沢、駒野、ケンゴ、高原で、これは言ってしまえばそのまま所属チームと代表とでポジションや与えられた役割がそこまで違わない選手ともいえる。例えば中沢がもっと前線に上がる役割だったら、駒野が3トップのサイドに張れと言われていたら、ケンゴがビルドアップ時に中盤を省略して前線に蹴るだけの役割だったら、恐らく違った結果になっていたかもしれない。ただもちろん違う役割を与えられた時に順応していけるかどうかもプロのサッカー選手の力量なので、今後はそういった点もオシムは重視していくだろう。寿人のサイド起用や、俊輔のセカンドトップでの起用がそれで、これはオシム時代からよく耳にする"ポリバレント"=多様性という言葉にそのまま当てはまる。


ただいかにポリバレントな選手でも同じポジションで違う役割が与えられた試合の序盤は、日ごろの習慣や感覚で配球をしてしまったり自分の体に染み付いているオフザボールの動きをしてしまい、それが周りの選手との連携を崩してしまう場面も時に見受けられる。でもそれもゲームの中で指示、そして話し合いながら徐々に順応していけば解決する問題なのだが、むしろそういった点も優れた選手には備わっていなければならない要素の一つだと言える。ちなみにコロンビア戦においては選手の順応に加えて、後半から加入した羽生の見事な飛び出しやチェイシングでコロンビアの攻撃の元を断ちチャンスとあらば前後左右にボールを散らす役割が、恐らくああいったスペクタクルなサッカーを生み出した大きな要因だろう。スペクタクルの影に潰し屋あり、は今期のビッグタイトルを獲得したACミラン監督カルロ・アンチェロッティの基本戦術でもある。


ところで冒頭でもまだ機能していると言い難いと言った点なのだが、これはもちろん推測の域を出ないのだが恐らくオシムサッカーにおいての走ること以外に、自分に与えられた新しいポジションの概念を理解できずに苦悩している選手がまだまだいて、その選手の迷いでワンタッチやツータッチパスと選手の動きの連動が止まってしまっているのでは、とこのゲームを見ていて思った。特に遠藤あたりに見られるのだが、例えるならブラジル代表でのロナウジーニョとバルサのロナウジーニョの違いに少し近いのかもしれない。 自分はこのチームにおいてはいつもよりも前目なのか後ろ目なのか右なのか左なのか、そして走るのか止まるのか、蹴るのか蹴らないのか、そういった判断にほんの少し迷いがあるだけで試合から消えてしまうものだが、前半の遠藤は明らかに攻撃の時点では一連の流れを止めてしまう役だけになっていた。ちなみに後半ではそれが見事に修正されて、遠藤、俊輔、ケンゴを中心としたボール回しにかなりのサッカーファンが酔いしれたはずだ。


少し長く書いてしまったが、そういった1ゲーム中での選手間や選手と監督間での修正、そしてそれをいかに早く受け入れるかという選手の順応性、そして順応したあとの機能したキレイでスペクタクルのあるサッカーが何分あたりから繰り広げられたかという点がわかれば、サッカーを観るのがさらに楽しくなると思う。そして代表において残る選手と呼ばれなくなる選手のボーダーも、能力以外にひょっとしたらそういうとこにあるのかもしれない。(2007.6.11)




常田真太郎(トキタシンタロウ)
幼少よりサッカーを始めるが万年補欠。一度は柔の道に進むも2000年のユーログループリーグ、ポルトガル×イングランド戦のルイコスタのプレーに魅了され再びサッカー熱が再加熱。現在は、蹴る(フルコート、フットサル他)、観る(主に川崎フロンターレ、ACミラン)、ゲーム(ウイニングイレブン)、語る、のサッカー全般で活動中。サッカー界の友人には川崎フロンターレ・中村憲剛、サンフレッチェ広島・佐藤寿人などがいる。
176cm 81kg、ポジションは主にDF。
敬愛する選手はルイコスタ、ガットゥーゾ、 ネスタ。