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「総括」

突然ですが、この7年にも渡って楽しんで頂きました真球論、最終回という運びになりました。嬉しい批判の内容のメールも頂くものの、驚くことにほとんどが好意的なメールばかりで、その中心はもちろんサッカーファンの方からだったりして、しかも指導者という方もたくさんおられました。他にも本職のサッカーライターさんがツイッターなどで取り上げてくれたり、現役の選手から面白かったよという言葉を頂いたり、全部プリントアウトしてファイル化してくれたツワモノもおりました(ちなみに彼は今や世界トップリーグの現役の選手だったりします。ひぇー!)。そして、ついに初回に書いており目標でもあったNumberさんでのコラムにとどまらず、サッカーマガジンさんやサッカーキングさん、Footballistaさんなどでもコラムやインタビューのお仕事を頂いたりして、ここを始めてよかったなぁと改めて感じてる次第です。今後はちょっといろいろと考えているところですが、次はサッカーだけに限らずにまた何か面白いことを始められたらいいなと思っております。題字を描いてくれた中村憲剛選手、いや、ケンゴ!本当にありがとう!(ちなみに対談も大好評でした)。

それでは最終回の真球論をご覧ください。皆様、長い間本当にありがとうございました!!

2014年のJリーグは、下半期からのガンバ大阪の躍進により結果的に例年よりもさらに盛り上がったイメージが強い。それはブラジルW杯の日本代表惨敗という結果をいつか前の記憶に追いやってくれるような、そんな勢いのある終盤の優勝争いのデッドヒートをも生み出した。G大阪、浦和、鹿島の3強に鳥栖や川崎が絡む2014年シーズンのラストランは週末のスタジアムを大いに盛り上げてくれた。助っ人外国人と同じ、いや超えてしまうレベルのパフォーマンスをコンスタントに繰り出す宇佐美選手や新生日本代表の中核を担うであろう柴崎選手や武藤選手たちのJの若きスター選手に対して、小笠原選手や大久保選手、中村憲剛選手などのベテラン勢が「まだそんなものじゃJのメインストリームは明け渡せない」と息を巻いていた。その盛り上がりはまるで来季から導入される予定の2ステージ制に対する最後の抵抗とも言わんばかりで、そんな創成期のシステムを導入せずとも現場の空気次第でまだやれることはあるんだ、とスタジアムが吠えているようだった。

W杯における日本代表の惨敗に関してはもうありとあらゆる場所で語られ、分析がされているのでここであえて掘り返すことは何もないと思う。むしろ現在行われているアジアカップに向けてどんな準備をしていき、どんなメンバー構成で戦い、現実的な目標でもある優勝カップを手にしていくのかに興味は尽きない。2011年のアジアカップのメンバーも南アフリカW杯から23人中9人を残している。2014年最後の親善試合ではスタメンのうち10人までもが南アフリカW杯メンバーだったことが何を意味するのか、まずはそこに注目したい。

リーグとCLで全く違う結果になってしまっているドルトムントの中で苦しむ香川選手と、チームの順位の下降とともにケガにも悩まされており昨シーズンよりも出場機会を減らしている長友選手、そして貢献度よりもやはり結果中心の欧州において徐々に出場機会を失っている他の海外チーム所属の前線の選手たちのコンディション調整に期待するとともに、完全にチームの中心となった本田選手や内田選手の調子を代表に持ち込めるかも大きなカギだろう。本田選手に関してはコンフェデレーションズカップからブラジルW杯までの1年のプレーと比べて今季のミランでの姿はまるで別人のようだ。筆者は光栄にも本田選手や香川選手と一緒にプレー出来る機会があったのだが(本田選手はとにかくシャイで、香川選手はとても人懐っこかったです)、二人は草サッカーでも全く違うタイプで、本田選手は中盤トップ下に君臨し、通常のパスやスルーパスもかなり際どく出していて、受け手が届くか届かないかのギリギリを瞬時に判断してチームメイトの限界を引き出そうとしていたり、シュートも積極的に打って得点も上げていた。対して香川選手はボランチの位置であまり動かず、シュートもほぼ打たずに戦況を見てボールを散らすプレーに徹していた。草サッカー程度で本気でプレーしたとは到底思わないが、それでもそこに本人たちの美学が隠れているはずで、それを考えると今季の本田選手は完全に自分のプレーというものを手に入れて実践してる気がしてならないし、同時にコンディションというものの恐ろしさを如実に感じた。ひょっとすると、周りに対して限界を要求したい自分のスタイルにおいて、コンフェデレーションズカップなどで感じた自分の中の足らない部分を考え、それが一番伸ばせる場所がセリエにあると考えてミランに行ったのだとすれば、そのストイックさに末恐ろしささえ感じる。

ただその際立ったプレーは先日のアジアカップ緒戦ではまだ見ることは出来なかった。クラブチームと代表で同じプレーが出来ずに批判を浴びることはトッププレーヤーにしてみれば珍しいことではない。メッシやC.ロナウドとて同じだ。大きな違いは監督、そして周りのプレーヤーである。一人だけが突出してもそれはおよそサッカーにはならない。サッカー史においてそれを実践出来たのはマラドーナだけだと言われているが、それでも彼はW杯でアルゼンチンを優勝させることは出来なかった。2014年W杯の優勝国、ドイツでは突出したプレーヤーはおらず、全てのプレーヤーのレベルがとにかく高かった。とすれば今後は日本代表のトップの選手たちが、まだこれからのレベルの選手たちをいかに引き上げていくかが肝となってくるのであろう。引っ張っていくのではなく、引き上げて、時には背中を押して自分よりも前に押し上げてやることも大事なのかもしれない。海外で結果を残している選手にはクラブチームに勝利をもたらすだけでなく、そういった部分において日本代表に対して大いに還元してもらいたい、そう強く思っている。(◆2014.1.13)

常田真太郎(トキタシンタロウ)

幼少よりサッカーを始めるが万年補欠。一度は柔の道に進むも2000年のユーログループリーグ、ポルトガル×イングランド戦のルイコスタのプレーに魅了され再びサッカー熱が再加熱。現在は、蹴る(フルコート、フットサル他)、観る(主に川崎フロンターレ、ACミラン)、ゲーム(ウイニングイレブン)、語る、のサッカー全般で活動中。サッカー界の友人には川崎フロンターレ・中村憲剛、サンフレッチェ広島・佐藤寿人などがいる。 176cm 81kg、ポジションは主にDFだったが中村憲剛によりFWへとコンバートされた。

敬愛する選手はルイコスタ、ガットゥーゾ、 ネスタ。

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