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去年末から今年にかけて、本当に多忙な日々が続きました。
どうゆうわけか、番組の主題歌をやってくれとか、歌詞や曲を書いてくれとか、うれしい依頼が殺到し、そしてまたどうゆうわけか全ての締め切りが重なったりしていて、もう実際なにがなんだかわからない状態のまま、歌詞や曲を書きまくっていました。ボツにした曲を含めると、おそらく短期間に30曲以上はつくったのではないでしょうか??制作がいつもノンビリなぼくにしては、これは驚異的な数字です 。
さて、去年の夏に高校野球のテーマソングとしてリリースした「奇跡」。実は、この曲を手掛けた時点で、もうアルバム「PARADE」の方向性は決めていたのです。エネルギッシュでシンプル、ポップで伝わりやすい作品、聴いた人がなんかわからないけど「明日もがんばってみるかっ」と思えるような作品・・・そんなアルバムをつくり上げたかったのです。
「PARADE」というアルバムは、ぼくのファーストアルバムに似ています。伝えたい何かがあって、届けたい誰かがいて、その事だけを第一に考えて出来上がったアルバムです。ジャンルや流行、プライドや余分な装飾は、今のぼくにはたぶん必要ではなく、一人の表現者として、沢山の人にこのアルバムを届けたいのです。


奇 跡

この曲を1曲目にもってくるのは、実はかなりドキドキしながらの決意でした。
今回のアルバムは「奇跡」をつくりはじめた頃から、明るくエネルギッシュなアルバムにしようと思っていたので、やはりオープニングはこの曲しかないと思い、いままでのスタイルを破り、1曲目を決定しました。 アルバム用に派手さを残して、少しだけ音をすっきりさせました。


19才

19才という曲はどこに行っても人気があって、正直びっくりしています。ぼくにはゴリゴリのファンクロックにしか聞こえないのですが(歌詞も歌詞だし・・・・)、一般の方の耳にはどうやらPOPSとして届いているみたいです。不思議なこともあるもんですね。


38分15秒

アットランダムに並ぶトリッキーでクセの強いメロディ、サビもなければ展開もないアンチPOPな構成、不親切でブッキラボウなアレンジ・・・ぼくはこの曲をつくった瞬間、日本語で歌詞をつけるのは不可能だと思いました。ある種のミクスチャーHip Hopには、このような形態はもちろん存在しますが、そこには韻とか言葉遊びとか、ジャンル独特の言葉の仕掛けがマスト。ぼくらが通常書いているような歌詞というのは、基本的にサビでオチがついて話が成り立つものだし、メロディや展開が規則性をもたないと、歌詞そのものが存在しえないと考えていたからです。
この歌詞には、我ながら仰天しました。もう、ただ呆れんばかりに逆境を逆手に取ったアイディアと瞬発力!!これこそFUNKですっ!!ぼくのつくり出すFUNKには、歌詞が極めて重要な要素なんだなぁ、と実感しました。


斜 陽

どこかの撮影かキャンペーンの帰りに、首都高速で帰ってきたことがありまして、その時に見た公団住宅と、それに射す夕陽の色がどうしても頭から離れなくて・・・・。そういえば、そんな公団にはどうでもいいような公園がもうけられていて、ぼくらはそこに隠れていろんな事をしたなぁ・・・なんて思っていたら、こんな歌詞になりました。この歌詞に出てくる主人公の性格は、かなりぼくに近いと思います。なんというか、自爆性自己完結型とでも申しましょうか・・・面倒くさい性格なんですよね。感受性の強い人が、一回は通る甘酸っぱい挫折だと思います。
斜陽というタイトルは太宰治の作品から頂きました。周りの人に「考え方が、すげー太宰っぽい・・・」と、最近頻繁に言われるようになりまして、ぼく的には斜陽をはじめいくつかの太宰作品は素晴らしい文学作品とは思うのですが、自分が似ていると言われると、どうにも苦手な温度感だったので、なんだか悔しくてタイトルにしました。


夏 陰

ぼくはアルバム5曲目で聴く「夏陰」を、相当気に入っています。そしてやはり、このイントロにやられますね、イントロを聴くと即座に昨年の甲子園の映像が頭に蘇ってしまいます。


タイムマシーン

Pファンクっぽいカッティングではじまるこの曲は、比較的今年の最初の方に創った曲です。ちょうど秘密結社とか午後のパレードを創ったのと同じくらいの時期かな・・・。なんか、明るいファンクビートが創りたくてウズウズしていた時期だったんです。この手のファンクは、ハイファイに録りすぎたり、アレンジを整理しすぎると、上品なフュージョンに聞こえてしまいがちで怖いのです。下品にヘタクソに攻めていくくらいで丁度いいのです。
歌詞は・・・これは、なんでしょう?? たぶん、これと似たような会話を、週末の居酒屋で2時間近く繰り広げていた記憶があるので、限りなくドキュメントな歌詞だと思います。「もう一度死ぬとこなんて、見たくもない」は、自分で書いていて「それはいえる・・・」と納得してしまいました。


RUSH

最近のスガシカオらしい曲だと思います。19才と同じテイストなのですが、ものすごく黒いビートとロックっぽいギターリフの融合というか、なんか最近すごく好きなテイストなのです。ライブで盛り上がりそうですね。
この手の歌詞も、ものすごく得意です。得意すぎて書けないくらい得意、意味わかりますかね??もう、次から次へといろんな情景やメッセージ、言葉やニュアンスが浮かんできて、歌詞としてまとまらなくなってしまうのです。記録によると、この歌詞は、北海道で札響とコラボした日の夜、打ち上げを一人抜け出してホテルの部屋で書き上げました。


Hop Step Dive

Hop Step Diveを聞いて、びっくりした方もいるかもしれません。確かにここまでロックで無骨なアレンジは、スガシカオ史上初めてです。実際、ぼくがまとめたヘッドアレンジは、もう少し前人未踏っぽい上品でソリッドな感じでした。しかし、ぼくはこの曲をある友人にむけて書いていて、どうしても、どんな手を使ってでも、ぼくのメッセージを伝えたかったのです。そのためには、今までみたいな上品でカッコいいアレンジでは間違いなく届かないと思ったのです。そこで亀田さんに相談して、なりふり構わない前に出るアレンジをお願いしました。


真夏のよるのユメ

映画デスノートの挿入歌として創ったわりには、あまりデスノートのイメージがついていないのが不思議です。真夜中に悪いユメで飛び起きて、真っ暗な部屋の鏡に映る自分を見るというストーリーは、以前暮らしていた部屋での実話です。
何故かこの曲は札幌交響楽団と演奏した時の、あのオーケストラの感じがいまだに忘れられません。壮大で大きな森の中に一人で立っているような孤独感と静寂・・・この曲って、静寂なんです、ぼくのイメージでは。


7月7日

息苦しくなるくらいのラブソングを真っ正面から書こうというのは、PARADEというアルバムでぼくがやりたかったことの一つです。誰かを好きになる気持ちがどんどん膨張していくと、それと同じだけ不安と悪い予感が膨張していく・・・・そんな押しつぶされそうな夜をテーマに書いてみました。 「サヨナラはいつかやってくるから、手を振るのは、そのとき一度だけでいい・・・」のフレーズは、今年度ナンバーワンの出来です。よく書けたなぁ・・・。


午後のパレード

「午後のパレード」には、実は大きな仕掛けがあって、つくった当初からアルバムラストの曲と決めていました。 この曲の歌詞には、いくつかの不明確な単語や意味不明な文章があって、実は1曲単体で聴くと意味がわからないと思うのです。ま、つくったぼくでも意味が細かく説明できないくらいですから・・・。でも、アルバムのラストで聴くと、その不明確な単語や文章が、その前に並ぶ10曲達と結びついて、まるで紐がほどけるみたいに心の中に入っていくと思うのです。 例えば、「未来のパイロット、世界に警報ならせ」がタイムマシーンと結びついたり、「黄色いクレヨンで描いた太陽」が奇跡に結びついたり、「ぼくは電話を〜君はもういないんだ」が斜陽に・・・・・という具合です。もちろん、「この言葉はこれとこれを結びつけなさい」というのではなく、聴いた人それぞれの結び付け方でよいと思うのですが・・・・とにかく「午後のパレード」は、まるでハエ取り紙みたいに、周りの言葉や風景や感情が、ベタベタくっついていく、そんなふうにつくった歌詞なので、最後で全11曲を完全につなぐはずなのです。アルバムで午後パレを聴くと、なんだか涙が溢れます・・・という感想が多いのは、実はそんな仕掛けがあるからなのかもしれません。


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