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「サナギ」 アルバムの1曲目がド派手でドカーンじゃないのが今ままでのアルバムの流れとは全然違います。 今回はそこをわざと狙わずにやってみました。だから、「サナギ」っていう曲を1曲目にするのにはすごい度胸がいったんですよ。 世界観が強烈な曲だと思っているので、挑戦してみたんですけどね。 歌詞は、勝手に降りて来ただけななので、自分でもわかりません。女の人の口調は、「Thank you」ではじめてやってみて、でもあれもちょっと中性的な感じだったんですけど、今回は完全に女の口調みたいな感じですよね。曲ができる前に、そういう世界観の詞がもう書いてあったんでで、あとから当てはめたんですけど。 音は、例えばイントロに出てくるギターの音のような、デジタルじゃ絶対作れない、人間の手でしか作れないような音で、絶対つかめない音で、絶対コピーできない音みたいなものをアルバムの中でたくさん使いたかったんですよ。それが自分の中で今、最も新しい音なんです。 ぼくにしか出せない音はなんだろう、世界でぼくにしか出せない音ってなんだろうっていうところを模索してて、辿り着いた音なんです。 「カラッポ」 勢いで作って、勢いで歌詞も書いて。でも歌詞はちゃんと考えたなぁ。実は5番くらいまであったんですよ、Aメロみたいのが。 いくらなんでも、5番までこんなことタラタラ歌われてもダメだろって思って、それをちゃんと考えて、凝縮したんですよ。 最初は酔っぱらって書いてたんで、人の悪口まで書いちゃって、その時は、「もういいや、今日酔っぱらってるから〜」みたいな感じで。 なので、それを後からちょっとまとめました。 「光の川」 これはとても安産でした。車をピューって走らせてて、パッとうかんだ。東京は渋滞が多いんで、そういうのに出くわすシーンが多いんですよ。 何か悪いことでも、人を好きになることでも、誰かを嫌いになっちゃうことでも何でもいいんですけど、心の一番ちっちゃいトコで、「あ、ヤベ、これは始まったな」みいたいな時ってあるじゃないですか。それがうまく書ければいいなと思って出来てきた感じです。 「アーケード」〜「クライマックス」 ディレクターと話してて、アルバムの中にいろんな時代の自分が登場してくるってことに気がついたんです。 これってもしかして高校生くらいなんじゃないの?とか、「クライマックス」もそうなんですけど。で、これは大学生だよね、とか。「カラッポ」はすごく今の自分に近いんじゃない?って言って、並べてみると一人の人間の歴史みたいに、脳の歴史みたいになってることに気付いて、じゃあ、そういう風に並べてみようかという感じなんです。 最初の世界観は置いといたとして、「アーケード」くらいからは少年期からだんだんこう、汚れていく感じで…。 ぼくも昔は、とても純粋で、女の子の手も握れなかったわけですよ。昔の自分が多分思ってた感情とかが、とても上手に出てる曲があって…時を経て、だんだん何を得て何を失うかみたいなものが、「アーケード」から最後の曲まで、ひとつの流れになってるんですよね。 「June」 レコーディングの一番大詰めに、最後の曲の候補が3曲あって、ファンキーなのお腹いっぱいだし、えげつないのもお腹いっぱいだし、かといってバラードもお腹いっぱいだしなと思ってた矢先に、コンピュータがとんで、3曲ともデータが引きだせない状態でぶっ壊れちゃったんですよ。 まぁ、今までだったら、それを理由にふて腐れたりとかしてたんだけど、今回はとても前向きで、「じゃ、アルバムにもう1曲作る」って言って、あと3日か4日しかないっていうときに一から作りはじめたんです。 いわゆるポップスっていうのがなかったんで、そういうもの作ろうって思って、3日くらいで作りました。ちょうど「アーケード」よりちょっと先くらいの、中学生とか、高校生とか、一人暮らしを始めるの大学生くらいのニオイが歌詞の中にでてきてたんで、何か流れを感じさせます。 「あくび」 これは、現実に即した話。ちょっと笑い事じゃないくらい、睡眠障害がひどくて。で、この辛さをいつか人に訴えてやろうと思ってて、歌詞に書いたんです。おもしろおかしくはしてありますけど、眠れない本人にとっては物凄い深刻な問題です。 眠れないといろんな幻想とか妄想とかを抱いたりするんですよ。それをちょっと歌詞にしてみました。ぼくはもう、曲としてっていうよりも、このことを誰かに訴えたい、今まで抱えて来た悩みを誰かに打ち明けたいっていう思いで書いてます(笑)。 「魔法」 「右手に女のニオイがついてる」っていうのは割愛して(笑)、後半の、虫がわく話とかは、僕の学生時代の本当の話。 トラウマですね、虫に対する。多分、「魔法」っていう曲はトラウマとかコンプレックスみたいなものがテーマになってる気がします。 洗っても取れないものとか、自分からは絶対取り外せないものとか、そういうものがリンクして出て来ちゃうんだと思うんですけどね。 「秘密」 社内恋愛のつもりで書いたわけじゃないんですけど、どっちかっていうと、学校の感じで書いたつもりだったんですけど、ぼくが歌ってるのもあって、社内恋愛だと思って聴いてる方も多いみたいですけどね。まぁ、どうにでもとれるように書きました。 「風なぎ」 自分でもあんまり季節がよくわかりません。これって季節いつなんだろうな?って考えたんだけど、特に季節にこだわっていなくて、ただ単にバーンと青い空のイメージだけがあって、それで、音も風もなく、ピーン…って音だけがするイメージがあって、「青空」の時の空とも全然違う青。 もっとこう、無機質なイメージが強かった。これはイメージがとても強かったから、おもしろいレコーディングをしました。歌詞も全部できてたんで、先に僕が弾き語りで歌っちゃって、そのあとに、何をどうやってアレンジしようかって考えていきました。で、アルバム全体を通して、つかみ所の無い音というコンセプトがあったから、もちろんそれを考えながら、歌を聴きながらアレンジしたっていう、ビートルズみたいなやり方でした。 |
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