Singer Song Writer

2018.3.20

3rd Album「NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5」
セルフ・ライナーノーツ

『Don't(Album mix)』セルフライナーノーツ

小さい頃テレビで見ていた「笑ゥせぇるすまん」
そのインパクトと記憶は強烈で、
主題歌のお話を頂いた時は正直自分には無理ではないかと思いました。
でも改めて脚本を読ませて頂いて、
子どもの頃に昔話で教わったような感覚や、
喪黒さんにお仕置きされる側の気持ちを大人になった今理解できたり、
自分が曲で取り上げるテーマと共通していることに驚き、是非やらせて下さいと言いました。

喪黒さんが私にくれたサプライズプレゼントをこのAlbum mixでは少しだけお裾分けしました。

メジャーデビューして初めて主題歌となれた作品が「笑ゥせぇるすまんNew」だという事、
そしてこのアニメとチームの皆様があって「Don’t」が出来たこと、
死ぬまで自分を支えてくれそうです。


『N』セルフライナーノーツ

NHKさんの番組でパラアスリート、走り幅跳びの中西麻耶選手と出会わせて頂き書いた曲です。
事故で右足を切断し義足となり、そこからパラアスリートになるまで、
映画何本分にもなりそうな彼女の人生を聞かせてもらいました。
健常者と呼ばれる私は「障がい」のことを書くことは避けてしまっていたけれど、
彼女との出会いで私なりの答えがハッキリ見つかりそのまま歌詞にしました。

中西選手がジャンプをする時のシルエットがNに見えたこと、
中西のN
NakamuraのN
NHKのN
想いがこもった一文字です。

人として女性として、麻耶ちゃんに出会えたことは、2017年私にとって一番大きな出来事でした。


『かかってこいよ』セルフライナーノーツ

会ったことのない人同士でもSNSで言葉を交わせる。良くも悪くもすごい時代です。
携帯電話が無かった頃、心の内は相手の目を見て言葉に発するしかなかったから、
相手を傷つけることも受け止めることも力が必要だったし、
その時の雰囲気や相手の表情などの一つ一つはその後も五感に刻まれているものでした。

今回アニメ「メガロボクス」のエンディングテーマのお話を頂いて脚本を読み、
肉体とギアテクノロジーを駆使して闘うメガロボクスは今のSNS社会、
リングに飛び込むジャンクドッグは携帯もなかった時代、
そんな風に重なって書き上げた曲です。

自分もSNSに頼っているからこそ、沢山の言葉に迷ったり傷ついたり悩んだりします。
それを発する誰かのことで悩むことより、直接言い合ったりできる大事な仲間と、
何が足りなくて何を鍛えて何を目指してリングに立つのかと向き合う。
人間にしか出来ない大事な部分を改めてジャンクドッグの姿から感じたことで書けました。

自分も見ていた「あしたのジョー」
50周年の今、沢山の人の力で新たに生まれ変わったメガロボクスに関われる事、心から嬉しく思います。


『新聞』セルフライナーノーツ

私は日々、連絡やニュース、移動の際のナビなど、携帯電話が手放せない生活を送っています。
ある朝いつものようにポストに届けられた新聞に、ふと、
紙の匂いや手触りや重さ、記事のレイアウトに温度を感じたことがこの曲を書くきっかけになりました。
ポケベルすらなかった頃は、人対人のやりとりが中心で、不便もあるから五感を沢山使って生活していた気もします。
一人でも生活しやすくしてくれている携帯電話も大切な今、
五感を通して人と付き合っていく喜びを
今の子ども達に伝えられたりするのは、ひょっとしたら私達が最後の世代なのかもしれないなと思いました。
そんな人の温度が伝わるような曲になっていられたら嬉しいです。


『波を待つのさ』セルフライナーノーツ

プロデューサー・ギタリストであるカワムラヒロシさんはサーフィンをやっていて、
朝早くてもライブがあっても寒くても色々な場所へサーフィンに行きます。
そんな姿を見て、何がそこまでさせるんだろうと不思議に思うようになりました。
それからは海に行った時はサーファーの方を眺めたり、
移動の車内でカワムラさんが流すサーフィンの映画やドキュメンタリーを何本も何本も見ているうち、
あ・・ と納得した瞬間がありました。
「自然の恵み」「自然に生かされている」ということをわかっているつもりだったけど、
体でその大切さを感じるどころか私は自然の現象に対策してばかり。
サーファーの方は天気や風の強さや風向き「自然界から生まれるもの」を受け入れて感謝し、準備をし、
波と一体となる喜びはきっとその人にしかわからない最高の瞬間なんじゃないかと。
サーファー・農家・漁師の方など
自然の恵みを体で毎日感じている人の生きるパワーはかっこいいです。


『星なんて言わず』セルフライナーノーツ

歳を重ねれば重ねるほど
出会いとともに
別れも増えていきます。

大切な人がいなくなってしまった時
「悲しい」「寂しい」「これからどうやって生きたらいいんだ」
その辛さは残酷で胸が苦しくなるけれど
その残酷さは幸せな時間が沢山あったからこそ。
「幸せだったなぁ」が辛さよりも上回る時がきっとくるんだろうと。

自分にもいつかやってくるその時に
少しでも前を向けるようにと書いた曲です。


『教室』セルフライナーノーツ

小さな頃自己中心的だった私はクラスの女の子から嫌われ、そんな自分が悲しくなり変わることを決意。
ただ自己中を直せばいいだけなのに、私は自らクラスの子の色に染まりに行きました。
いつも皆と同じ意見で、ニコニコしていたら嫌われなくなって、それが正解なんだと思っていました。
でもそのまま社会に出てしまったら「自分らしさが無い」「八方美人」というつまらない大人になっていました。
結局36歳になる今も自分を探しています。
「世界は広いんだぞ」と言われてもお金も車もないし自分の環境から抜け出せないのが学生。
でも目の前にある家や教室や学校だけが全てじゃないということは頭の片隅でいいから知って欲しいです。
その環境で踏ん張って生きていたら「自分らしさ」はいつかきっと、広い世界を見せてくれます。
カッコ悪い私だけどそれでも学生の方へ伝えられることはこれだと思い書いた曲です。


『モチベーション』セルフライナーノーツ

色々な仕事を転々とし
色々な職種の方に出会い
それぞれにルールがあり
それぞれのカラーもありました。
でもどんな職場でも大切なんだなと実感したのは
笑顔でいる努力をするということでした。

笑ってられっかよ!って時も
めんどくさーって時も
月曜日の辛い出勤も
笑顔でいる努力をしていると
なんだかんだ自分も前を向いてたり
周りの人も笑顔や会話が増えたり
それが結局自分を元気にしてくれたり
不思議な連鎖反応が少しずつ起こっていることに気づきました。

小さな小さな心がけは、奇跡に繋がること
職場の皆がネガティブな私に教えてくれたことで書けた曲です。