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リリース情報 / 試聴&解説  / レビュー / 最新インタビュー / ライブレビュー / イベントレポート / コメント 



■2nd Full Album「黄金の在処」11月6日発売決定!
併せて12月「黄金の在処」発売記念ライブも決定!!
【NEW】


デビュー7年目にして自身2枚目のフルアルバムが遂にリリース!
前作「SEVEN」からのさらなる進化は、更にエレクトロニカ、ジャムサウンドまでも飲み込み
各楽曲のオリジナリティーがせめぎ合いを見せる渾身の作品が遂に完成!

注目のインストバンドNabowaとの挑戦的なコラボ楽曲である「誰より愛を込めて」「VACANCES」や、
津野米咲(赤い公園)の参加により楽曲の世界観がさらに深まった「そのキスひとつで」、
ボカロPれるりりとの異色の試みである「フラッシュバック瞬き」をはじめ、
全国のフロアからデスクトップまでを沸かせる手練れアーティスト/ミュージシャンたちも長澤知之のもとに集結!!

2nd Full Album「黄金の在処」



ATS-47 2,500円(込)
発売日:2013年11月6日

収録曲
1.GOODBYE,HELLO
2.フラッシュバック瞬き
3.スーパーマーケット・ブルース
4.そのキスひとつで
5.誰より愛を込めて
6.追憶
7.黄金の在処
8.無条件幸福
9.VACANCES
10.あんまり素敵じゃない世界
11.あとの祭り
12.ハレルヤ
13.STOP THE MUSIC

★「フラッシュバック瞬き」Music VideoをYouTube Augusta Channelにてスタート!【NEW】

http://www.youtube.com/watch?v=JFrinUvvWcA


★「そのキスひとつで」Music VideoをYouTube Augusta Channelにてスタート!【NEW】

http://www.youtube.com/watch?v=VBshsUYhNrs

★「GOODBYE,HELLO」Music VideoをYouTube Augusta Channelにてスタート!【NEW】

http://www.youtube.com/watch?v=nPVeyaTHoeY

★長澤知之 2nd Full Album「黄金の在処」Augusta Family Clubにて販売START!!【NEW】

お申込みはこちらから→https://www.augfc.net/(PC ・携帯共通)

★11月6日(水)リリース! セカンドアルバム「黄金の在処」の予約注文が、iTunesにてスタート!【NEW】
今作はMastered for iTunesの音質で、リリース日~DLできます!

https://itunes.apple.com/jp/album/huang-jinno-zai-chu-huang/id719426801

★12月「黄金の在処」発売記念ライブ開催決定!
※ゲスト出演あり。
 詳細は【こちら】よりご確認ください。

また、毎週火曜日と金曜日に公式facebookにて全曲本人解説&特別試聴の順次公開も決定!
公式facebookのみの特別先行コンテンツです!!
長澤知之facebook:https://www.facebook.com/nagasawa.official

★タワーレコードオリジナル特典「EPレコードサイズジャケット」プレゼント!
&タワーレコード渋谷店、新宿店での(予約)購入者限定のミニライブが決定!!
【NEW】

・タワーレコードオリジナル特典
11月6日発売のNEWアルバム「黄金の在処」をタワーレコードにてご予約・ご購入頂くと、先着でオリジナル特典の「EPレコードサイズジャケット(17cm)」をプレゼント!!各店舗、ご用意している特典数量に限りがございますので、お早めのご予約をおすすめ致します。
※特典EPレコードサイズジャケットの紙質は実際のCDのものとは異なりますので、色調が若干異なります。
 また、中身のレコード盤は含まれずジャケットのみのプレゼントとなりますのでご了承ください。

・タワーレコード渋谷店、新宿店での(予約)購入者限定のミニライブ決定!!
■開催日時
2013年11月15日(金曜日) 19:00

■開催場所
タワーレコード渋谷店 B1F「CUTUP STUDIO」

■参加方法
ご予約者優先でタワーレコード渋谷店、タワーレコード新宿店にて、11/6(水)発売 長澤知之「黄金の在処」1枚をご購入いただいたお客様に、先着で整理番号付ミニライブ参加券を1枚配布いたします。
・ご予約いただいたお客様には優先的に整理番号付ミニライブ参加券を確保し、対象商品ご購入時にお渡しいたします。
・対象商品1点につき1枚の整理番号付ミニライブ参加券、2点以上ご予約(ご購入)の場合も予約(ご購入)枚数に関らず、お1人様1枚までとさせていただきます。
・整理番号はご予約された順番となります。
・イベント開始30分前に1F階段前にご集合ください。また時間前のご集合はご遠慮ください。

■注意事項
・対象商品のご予約は対象店舗の店頭でのみ承っております。
・整理番号付ミニライブ参加券の配布は定員に達し次第終了いたします。終了後にご予約(ご購入)いただいても、整理番号付ミニライブ参加券はお付けできませんのでご注意ください。
・整理番号付ミニライブ参加券を紛失・盗難・破損された場合、再発行はいたしませんのでご注意ください。
・小学生以上のお客様から整理番号付ミニライブ参加券が必要となります。
(未就学児がイベント参加希望の場合、付添いの方はミニライブ参加券が必要です)
・対象商品の不良品以外での返品・返金はお断りいたします。
・イベント中はいかなる機材においても録音/録画/撮影は禁止となっております。
・会場周辺での徹夜等の行為は固くお断りしております。
・会場内への飲食物の持ち込みは禁止となっております。
・会場内のコインロッカー(1回300円)には数に限りがございます。
・イベント当日は係員の指示に必ず従ってください。係員の指示に従っていただけない場合、イベントへのご参加をお断りすることがございます。
・都合によりイベントの内容変更や中止がある場合がございます。予めご了承ください。

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【全曲試聴&解説】



「GOODBYE,HELLO」

日比谷野外音楽堂にて行われたイベント「待ち人のフェイバリット」のラストで披露された楽曲。
別れではなく再会を約束する歌詞と、金子巧(cro-magnon)によるオルガン、キタダマキの躍動するベースライン、正木健一のパーカションと吉田佳史(TRICERATOPS)のグルーヴィなドラムが絡み合い、アルバムの幕開けを飾るに相応しい開かれた1曲に。

「曲順に関しては何通りか考えたんだけど、やっぱり始まりは「GOODBYE,HELLO」が一番グッと来ました、自分でも。
メロディ自体は随分前からあったんだけど、それをしっかり形にしようと踏み出したのは今年に入ってから。
オルガンを弾いてくれた金子さんは熱過ぎず、でもクール過ぎず、フラットに付き合ってくれる方でしたね。本当に楽しんで演奏してくれて、それが聴いてくれる人にも伝わるサウンドになってると思う。
マキさんもそうで、ああいう暖かい人がいてくれるとスタジオの空気も暖かくなる、そうなると全員の出す音もガラッと変わる、精神論じゃなくて本当にね。
パーカッションのマサケンさんは『SEVEN』の「静かな生活」でも一緒にやってもらった方だけど、あの曲と違って今回は賑やかなプレイをしてもらっているし。ドラムに関しても“この曲を叩いてもらうなら絶対に吉田さんだな”と思っていて、とても素敵なグルーヴを生み出してくれましたね。

アルバムの中でもかなり楽しく歌えた曲のひとつです」


「フラッシュバック瞬き」

多岐に渡るアプローチが取られた『黄金の在処』において、最も実験的かつ挑戦的なトライアルとなった楽曲。
佐藤洋介(COIL)が手掛けたシーケンスを基に編まれたリズム・パターン、金子巧(cro-magnon)による浮遊感溢れるキーボード、更にボーカロイド界の気鋭と称されるボカロP“れるりり”の制作したデジタル・ヴォイスが長澤の世界に新たな彩りを加える。

「最初から金子さんのキーボードを活かした…ピコピコ系? なんとなくそういう曲にしたいとは思っていたんです。
そこから洋介さんが半分遊びで別アレンジの『フラッシュバック瞬き』を作って聴かせてくれて。彼のユーモアが凄く投影された…良くも悪くも笑っちゃう出来だったんだけど、“なるほど、確かにこういうイメージもあるんだよな”と惹き付けられるものがあって。
そのシーケンスから部分的に拝借して、レゴのように組み立ててリズムは作りました。
れるりりくんは、俺と大柴(広己)くんで呑んでいるときに、大柴くんが連れてきてくれて。
えらく若い人で「ボカロPやってます」と自己紹介されて、「あっ、そうなんだあ」と。
ボカロPが何かほとんど分かってないのに(笑)。
で、それから暫くして『フラッシュバック瞬き』に自分とは違う声質の、それでいてキーの高いコーラスが欲しくなったときに、彼の存在を思い出して。
この曲は夢と現実の狭間、どっち付かずを彷徨っている人間の歌だから、俺の声とボーカロイドの声、シーケンスやキーボードに対するアコギやハンドクラップっていう性質の異なるものの混在が、歌詞にピッタリの音になったと思う」


「スーパーマーケット・ブルース」

1曲目「GOODBYE,HELLO」と同時期にレコーディングされた楽曲であり、キタダマキ、正木健一、吉田佳史(TRICERATOPS)に加え、自身のバンドから数多くのサポート・ワークで知られる栗原健がテナー・サックスで参加。
スーパーマーケットを舞台に繰り広げられる希薄過ぎて滑稽な人間関係を忌み嫌いながら、そこに安住しかけている主人公の姿を綴った長澤流のブルース。

「ほとほと嫌気が差している環境、日々から抜け出せない人を描いているんだけど、それを軽やかなサウンドに乗せることで現実感はより増すと思っていて。
イントロから弾いているアルペジオも軽やかでありながらルーティーン化した日常のようなものが表れていると思うし。サックスは凄く肉体的な楽器だから、栗原さんにはラインを伝えるんじゃなくて“この部分は怒ってください”“喧嘩をなだめてください”っていう風景や感情でお願いして。
アウトロに至っては“朝焼けを仰ぎながら溜め息混じりで缶コーヒー飲んでもらえますか?”って具合で(笑)。
俺はジャズにも明るくないし、スカにも馴染めなかったんだけど、サックスが好きな理由は、九州にTVQっていうテレビ局があって。その局が放送を終えると、福岡の夜景を定点カメラで映しながら、ケニー・G(アメリカのサックス奏者)が吹いているかのようなロマンチックなメロディが流れ出すんです。
それこそ夜中から明け方になる時間帯、“今起きてる人間なんかほとんどいないんだろうな”って思いながら、ボーッとテレビ越しに聴こえるサックスの音色はとても心地良くって。
1人に浸れる時間だった。
この曲のアウトロにも、そういう感触を求めたところがあります」


「そのキスひとつで」

今年8月にフルアルバム『公園デビュー』をリリースした4人組バンド、赤い公園で作詞作曲を務める津野米咲がコーラスとギターで参加。
クライマックスのディスとーしょん・ギターと、透明度の高いウィスパーボイスで楽曲の物語性を更に掻き立てる。

「歌詞を読んでもらえば分かると思うけど、自分が絶対に踏み込めないラインの向こう側…異次元にいる何かに恋い焦がれている歌。そこで歌詞の中に登場する“異次元ハニー”の声を自分以外の誰かにお願いしたくなったとき、津野さんの名前が挙がったんです。」
確か電話で曲のイメージを説明して、「異次元ハニーになってください」とお願いしたら「私、アニメ声なんでバッチリだと思います!」と快く引き受けてくれて(笑)。
更にレコーディング当日も可愛らしい洋服で現れて、髪の毛もツインテールって言うのかな?
普段はあまりそういう格好をしないらしいんだけど、精一杯の異次元ハニーっぷりで臨んでくれて…そういう心意気が本当に嬉しかった。
ギターも弾いてもらったんだけど、フレーズの隙間を埋めてほしいっていうよりは2人で歪んだ音のストロークを重ねていけたら良いなと思っていて。最後のサビ前でフィードバックからギターを入れてもらって、掛け合いだった俺と津野さんのヴォーカルもハモりになる。
自分のいる世界とその異次元が交わらないことにもどかしさを感じて、半ばブチ切れながら一線を飛び越えて最終的に互いの世界が交差する展開を音像化できました」


「誰より愛を込めて」

7月末に配信限定シングルとしていち早く届けられた楽曲。
京都の4人組インストゥルメンタル・バンド、Nabowaと共に多幸感に溢れたサウンドスケープを編み上げている。
“音楽を楽しむ”というアルバムのテーマを象徴する仕上りであり、今回の収録曲の中でも最も陽性に振れた曲として存在感を放つ。

「こうやってアルバムが完成してから振り返ってみると、「誰より愛を込めて」が最初にレコーディングできたことは大きかったな。
この曲で掴んだ感覚がヒント、核になって細胞分裂のようにアイデアや曲が生まれてきたから。仕上りを聴いたら想像できないかも知れないけど、デモの段階ではヴァイオリンを入れることなんて全然考えてなくて。ただ(山本)啓くんがヴァイオリンを弾く姿を見て“ヴァイオリンから始まる曲って良いよな”と、イントロのリフは僕がギターで考えたものを啓くんに弾いてもらいました。
あの気高くて悠々としたサウンドが幸せな空気を助長してくれて。
レコーディングはNabowaのメンバーと一発録りで、テイクもいくらか重ねたんだけど、結局1テイク目が一番良かった。あのドキドキ、ワクワクした感じが音にも表れたんだろうな。
彼らはインストバンドだけど歌心のある人たちだから、一緒に5人で歌っていた感覚がある。アウトロの長いセッションも“このまま終わんなきゃいいのに”って思ってた(笑)」


「追憶」

仲俣和宏(fresh!、downy)、秋山タカヒコ(fresh!、downy)の盤石なリズム隊を迎え入れ、ソリッドなバンド・アンサンブルで展開される1曲。
長澤自身によるコーラス・ワーク、フリーキーに暴れるオブリガートとギターソロ、そして謎の新人ギタリストKAYAの鮮烈なフレーズ。
歌詞のみならずサウンド面でも初期の長澤らしさが顔を覗かせる。


「黄金の在処」

濱野泰政によるバンジョーとチェロ、パーカッションがもたらす色彩、簡潔だからこそ長澤の思いが凝縮された詞世界。
作中で最も短い1コーラスの1曲ながら、アルバムを象徴する穏やかで優しいタイトル・トラック。

「この曲は制作の初期段階で生まれていた曲。プリプロで録った音の雰囲気がとても良かったので、そのテイクをベースに音を重ねています。
俺とやっさん(濱野泰政)の2人だけっていうミニマルな編成なんだけど、自然に感覚を共有できる人なんですよね。
だから凄く安心できる。
それに音楽、楽器が大好きな人だからバンジョーやマンドリン、チェロにヴィオラを現場に持って来てくれるんです。
だから俺も色んなアイデアを気軽に楽しめて。この曲はバンジョーとチェロがイメージにピッタリだったから、やっさんに弾いてもらいました。
凄く短くて、穏やかな曲なので、「JUNKLIFE」や「EXISTAR」とはまったくタイプの異なるタイトル曲だけど、俺がアルバムに取り掛かるときに漠然と掲げていた“聴いてくれる人を威圧しない音”、“歌謡性が高くて、どこかフォーキーな質感”が一番表れている曲のような気がして。

あとね、アルバム全体として本当に音楽を楽しむことができたから、この曲だけじゃなくて13曲ひっくるめて『黄金の在処』って呼びたいなって気持ちになって。
幾つか他の案もあったんだけど、やっぱりこのタイトルが一番グッときました」


「無条件幸福」

3月末の京都ROOTER×2、4月の渋谷eggmanにて弾き語りスタイルで披露されていた1曲。
アルバムでは1曲目の「GOODBYE,HELLO」と同じく金子巧(cro-magnon)のオルガンが歌詞とメロディの多幸感、祝祭感を鮮明に浮かび上がらせる。

「今年から「GOODBYE,HELLO」「誰より愛を込めて」と同様、いち早くライブでは演奏している曲なんだけど、実は昔からある曲のひとつなんですよね。
書いたのは7年前くらいだったかな。だからごく一部の方はかつてのライブで聴いたことがあると思います。
ただ、俺が元の歌詞をすっかり忘れてしまっていて、どこを探しても見付からなくって。
そこで微かな記憶を頼りにオリジナルにすり寄せようとするくらいなら、いっそ今のモードにあった歌詞に書き換えてしまおうと思って。
とにかく“今”を肯定して、讃えている歌詞なので、後々…数年後に歌っても気持ち良く歌えると思う。
どこか聖歌のような曲になればいいなと思ったんですよね。
だから金子さんに弾いてもらったオルガンもどこかパイプ・オルガンのようなイメージにしてもらったり、リバーブ(ギターの残響音をシミュレートするエフェクター)も設定をチャーチ(教会。その他にルームやトンネルなどの設定もある)にしていたり。
「無条件幸福」っていうタイトルにぴったりな、とても幸せな音になったと思う」


「VACANCES」

先行配信シングル「誰より愛を込めて」と同様に京都のインストゥルメンタル・バンド、Nabowaが全面的に参加。
長澤がギターパートの殆どを景山奏(g)に任せるなど、より深くなった両者の信頼関係が窺える。

「朧げに「どうせ陽炎」のような、はしゃげるんだけど…どこか笑えるエッセンスが欲しいなと最初は考えていたんだけど、いざレコーディングとなったときに“この曲はNabowaとやったら面白いんじゃないか”と思って。
ただ少し申し訳無かったのは、一緒にリハをする時間が取れなかったんですよね。
だから事前にデモの音とイメージを伝えて本番に臨むことになったんですけど、「誰より愛を込めて」のレコーディングを経験したことで、感覚と意志の疎通はよりスムーズになっていて。リフも大まかなラインは俺が考えた上で、「(景山)奏くんの好きにアレンジしていいよ」と任せたんだけど、彼はとても優しくて良い人だから「いやいや、このリフがええねん」と言ってくれて(笑)。
でも、やっぱり音楽だから同じリフでも奏くんの音になるんですよね。
活き活きとしたヴァイオリン、可愛らしいベースライン、心地良いドラム…凄くNabowa感が出た曲ですね。
架空の夫婦をロールモデルにしたケセラセラな「VACANCES」だから、やっぱりこういう音じゃないとね」


「あんまり素敵じゃない世界」

前作『SEVEN』ではリードトラックを担っていたが、今回はあくまでアルバム中の1ピースとして自然な形で輝きを放つ。
ギターソロを佐藤洋介(COIL)が演奏していることに加え、今回のアルバムではあらきゆうこの4つ打ち、そして最多6曲のセッションへ参加したキタダマキの初参加など、『黄金の在処』に繋がる試みが盛り込まれている。

「『SEVEN』を象徴する曲でもありながら、やっぱり今の自分のモードに一番フィットする曲でもあって。この1年で歌ってないライブってほとんど無いんじゃないかな? “虹=音楽”をひとりじゃなくて、たくさんの“君=参加ミュージシャン”とたくさん刻めた作品になったから、今回も収録させたかったんですよね。
結果的にアルバムに凄く似合っているし、「バベル」(同じく『SEVEN』収録曲)じゃ決してこういう輝き方にはならかったと思う。
“この曲で(佐藤)洋介さんにギターを弾いてもらったことで得た感覚が、ここまで参加ミュージシャンを開げたきっかけ?”と問われれば、俺は“ああ、確かにそうかも知れないですね”と必然に対して曖昧に頷くことしかできないんだけれど。
言われてみれば今回一番ベースを弾いてもらっているマキさんとの初めての曲でもあったりするし。
そういう意味でも、『黄金の在処』における最初の布石のような曲なのかも…と、当然狙ったわけじゃなく必然に対して漠然と思ってます(笑)」

「秋山さんと仲俣さんは2005年のAugusta Camp(YAMAZAKI MASAYOSHI in Augusta Camp 2005-10th Anniversary LIVE-の横浜公演)で俺が初めてオープニング・アクトとして出演したときに、共に演奏してくれたメンバーでもあるんです。
秋山さんはその後も制作やライブを一緒にやってきたけれど、仲俣さんと一緒に音を出すのはそれこそ8年振りで。“どうなるだろう?”と少し不安だったんだけど、一音軽く弾いた音を聴いた瞬間に“「追憶」はこの2人で間違い無かったな”って確信しました。
最初はこの懐かしいメンバーで「追憶」ってタイトルの曲をやったら面白いかなってくらいの発想だったんだけど、秋山さんと仲俣さんはずっとバンドのメンバー同士でもあるから演奏もバッチリで安心感もあって、凄く心強かった。
やっぱり8年前、赤レンガパークのステージから見えた景色も鮮明に頭に浮かんだし、“あのとき凄い緊張してたよな、俺”とか。
かつては思い出したくもないと思っていた記憶でも、今は少し思い出として捉えられるようにはなってきた…かな」


「あとの祭り」

『SEVEN』収録の「幸せへの片思い」と同じく、長澤の爪弾くアコースティック・ギターと益子樹(ROVO, Dub Squad)のシンセサイザーが優しく溶け合う。かつての歌謡フォークにも通じる物悲しいメロディラインも印象的な1曲。

この曲は確か10代の頃に作って、初めてオーガスタ(所属事務所)に送ったデモテープにも入っていたので、実は『黄金の在処』の中では一番古くからある曲ですね。
俺の中では凄く歌謡曲的な歌だから、これまでのアルバムだとどう形にしても馴染ませるのが難しくって。
だから今回のように“純粋に音楽を楽しむ”っていうテーマなら、寧ろこういうタイプの曲が入っているのも面白いんじゃないかと思えたんです。
ただ完成させてから10年以上の時が経つと、ギター1本だけの弾き語りというアレンジが半ば固定観念化してしまって…曲の発展のさせ方、崩し方が思い付かなかったんですよね。
そこで、歌の中にいる主人公の心境を益子さんと話し合いながら音像をまとめていきました。
一時は自分の中に根付いていた固定観念を壊すために、英語のできるスタッフに協力してもらってサビの歌詞を英語にしてみたりもしたんだけど、あれは変だったな。

つくづくやらなくて正解だったと思う(笑)。


「ハレルヤ」

ドラムに国内屈指のパワーヒッターである松下敦(ZAZEN BOYS)、ベースには昨年の“Nagasa・Oneman7 Band Ver.”を共に廻ったTOKIEを迎え入れた3人編成。
時速120㎞オーバーで邁進する重戦車のようなグルーヴで終始駆け抜ける。

死に物狂いで、目もひんむいて何かに抗っている人間を描きたくって。
とにかくパワフルなドラムが欲しいと思っていたときに、名前が挙がったのが松下さんだったんです。
もちろん存在は知っていたし、改めて音源を聴くと「ハレルヤ」のイメージ通りで。
TOKIEさんも俺のイメージでは凄くパワフルなベースを弾く方なんですよ。
で、勝手に“TOKIEさんと松下さんなら面識もあるだろうからバッチリだろ”と思っていたんだけど、どうやら初めての共演だったみたいで(笑)。
俺も含めて人見知り3人の集まりだから最初は静かな現場になっちゃったんだけど、いざ音を出すとやっぱり2人共凄くって。
この曲のレコーディングは細かいことを気にせずに、音が外れようが演奏をミスろうが関係ないなっていうくらいの気持ちです。
綺麗にまとめるのって…こう、凄くつまんないなって思うときがあって。
不完全なら不完全で良いし、その曲の生々しさが出るならグロテスクでいびつな演奏でも構わないんですよね。

「ハレルヤ」はまさにそういう曲です。


「STOP THE MUSIC」

リバーブを深くかけた印象的なギターリフ、キタダマキと伊藤大地(SAKEROCK)によるどっしり腰を据えたリズム・アプローチで展開される1曲。
構成はシンプルでありながら、沸々と熱を上げていくヴォーカリゼーションとアンサンブルが圧巻のラスト・ナンバー。

「穏やかなリズムなんだけど、本質的にはどこか穏やかじゃない曲というか…。歌詞の動機自体は「THE ROLE」(『JUNKLIFE』収録)と似た感覚から始まっているので、怒りや憤り、呆れのようなものが多分に含まれているんだけど…それをポジティヴに昇華させたいっていうのが俺の、特に今の俺の作り方だし。
音のイメージも最初はスペーシーだのサイケデリックだのと言っていたんだけど、“さすがに広げ過ぎかな”と思って、最終的にはホールで鳴っているようなサウンドを意識しました。

大地さんとは初対面だったんだけど、とても柔らかい空気を持っている人で、イメージ通りの素敵なドラムを叩いてくれて。
マキさんとの息もピッタリだったし。
こういうタイトルの曲を、このアルバムの最後に入れると誤解されてしまうかもと少し考えたけど、この曲に限らず聴いてくれた方にどう受け取ってもらっても自由だし、寧ろそれぞれがそれぞれの解釈を持ってくれた方が面白いから」


【レビュー】

「僕の黄金の在処を当ててみて ここにある」。タイトル・トラック「黄金の在処」の歌い出しは、まさしく作品全体を象徴する一節になった。長澤知之にとって目映く、自らをも照らす“黄金”、つまりは音楽を過去最高に謳歌し、讃えた全13曲からなる2ndフルアルバムの完成である。

前作にあたるミニアルバム『SEVEN』に引き続き、(あくまでも)今の長澤は多くの音楽家と音を楽しみ、育むことを欲する季節を迎えているのだと思う。本人は“最初から意図したわけじゃなく、結果的にこれだけの人が関わってくれた”と語るが、結果的とは言い換えれば必然的であり、本質的でもある。2006年、22歳の若さでデビューした彼は、その純粋過ぎる視点から紡がれる言葉とメロディで聴き手の痛み、悲しみに寄り添う一方で、危ういまでにギラついた光を放つこともあった。その光は崇高でありながら、どこか脆さと儚さを孕んでいたような気もする。そして様々な出逢いと変遷、浮き沈みを経て、彼はようやくフラットに音楽を奏で、こんなにも高らかに歌えるようになったのだと思う。その今の長澤の状態が、アルバム『黄金の在処』として最も幸福な形で結実した。

京都を拠点とするインストゥルメンタル・バンド、Nabowaとのコラボレーションによる「誰より愛を込めて」「VACANCES」はもとより、サックス奏者・栗原健が楽曲の倦怠感と焦燥感を一層掻き立てる「スーパーマーケット・ブルース」、松下敦(ZAZEN BOYS)の叩き付けるような力強いビートが長澤の絶唱とシンクロする「ハレルヤ」、金子巧(cro-magnon)による流麗なオルガン・プレイが従来の楽曲には無かった彩りを加えた「Goodbye,Hello」「無条件幸福」、津野米咲(赤い公園)がギターと透明度の高い歌声で歌詞中の“異次元ハニー”を演じる「そのキスひとつで」、作中随一の新機軸と取られるであろう「フラッシュバック瞬き」ではボーカロイド界を牽引するボカロP“れるりり”と挑戦的なアプローチを試みている。長澤の根幹である歌やギターを他者に委ねる…寧ろ自分以外の色を求め、楽しんでいる様子が透けて見える。結果、サウンドの豊潤さと同時に長澤の存在も際立ち、新たな側面も浮き彫りになる理想的なゲストワークとなった。

それら新たな人々との邂逅から完成した楽曲に対し、8年前のオーガスタキャンプ「YAMAZAKI MASAYOSHI in Augusta Camp 2005」で初のバンドステージを共にした中俣和宏、秋山タカヒコ(共にfresh!, downy)と狂気的かつソリッドなバンドサウンドを聴かせる「追憶」、デビュー前のデモテープにも収録されていたという「あとの祭り」、古くからライブでは披露されていたものの未発表楽曲となっていた「無条件幸福」も歌詞を刷新して収録されている。つまり、最も新しい楽曲と古い楽曲では生まれた時期に10年近い隔たりがあるのだが、今の長澤が歌い上げることで違和感など一切無い。『黄金の在処』を更に美しくさせる輝きとして欠かせない楽曲たちだ。

これまでの長澤の足跡を知っている方々はもちろん、初めて彼の音楽に触れる人にとっても、実際の黄金以上に光り輝く1枚になっているはず。少なくとも、今回のアルバムが長澤のディスコグラフィーの中で一番好きな1人の人間として、確信を持ってそう感じている、願っている。

戸川 健太(Player)

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【長澤知之 最新インタビュー アルバム制作エピソード編   インタビュー:戸川健太(Player)】

●長澤くんのFacebookやブログをチェックしている人なら、2013年の長澤知之が制作に取り組んできて、今まさにその楽曲たちがアルバムという形で完成間近ということは知っていると思うのですが、この8月28日14時の時点でアルバムがどういう状態か長澤くんの口から伝えてもらってもいいですか?
 えーっと、最後の歌録りが丁度1週間前に終わって。ほとんどの曲はトラックダウンも終わってるのかな? とにかく自分の範疇でできることはほぼ終わったので、今は凄く開放感がある。気持ちも徐々に上に向かっている感じがするし。アルバムの曲はどれくらい聴いてくれてるの?
●全曲聴かせてもらってますよ。それこそTD前の曲もあるし、曲順もアルバム・タイトルも分かってない段階なんですけど、今までで一番好きなアルバムになりそうです。
 本当に!? やったー、何よりだ(笑)。
●本当ですよ、嘘じゃない(笑)。
 うん、分かってる。去年『SEVEN』のインタビューのときにも関わらず『P.S.S.O.S.』が一番好きって言ってたくらいだからね。だから嘘じゃないのも分かる(笑)。まだアルバムの曲を聴いている人はごくわずかだけど、そう言ってくれることは救われるし。この先、誰に今回のアルバムをボロクソに言われようと、そういう意見をしっかりと噛み締めてプロモーションしていこっかな(笑)。
●前回のフルアルバム『JUNKLIFE』を制作していた頃は、長澤くん自身相当混沌としていた印象がありましたが…。
 なんか…そうだったみたいだね。もう全然あの頃のことって覚えてない(笑)。今となると良い思い出しか残っていなくって、今回のアルバムを制作していても“『JUNKLIFE』を作っていたときは、もっとスムーズにいったのになあ”って。だから、今回のアルバムもきっと時が経てば都合良く良い思い出しか残らないんだろうなあとは思う。図らずもそういうことを歌っている曲も収録されているし。
●でも聴き手としては音楽を楽しんでいる長澤くんの姿が透けて見える曲も多いわけですよ、今回。
 ああ、そうなっていたら嬉しい。ありがとう。やっぱり…我ながら『JUNKLIFE』って重たいアルバムだったから、良い悪いじゃなくて。もちろん、BGMのような音楽を作る気は最初からなかったけど、実際に自分で聴いてみても気軽には聴けなかった、少し覚悟がいるというか(笑)。だから“次はもっと音楽を楽しもう”って気持ちから生まれたのが『SEVEN』だし、そこで掴んだ感覚のようなものを更に強く打ち出したのが今回のアルバムなのかな。『JUNKLIFE』が極彩色を掻きグッチャグチャに混ぜることで1枚の絵になった作品だとしたら、今回のアルバムは…そういう禍々しい曲も当然あるんだけど、もっと俺も、聴いてくれる人たちも音楽を楽しめる作品になればいいなと思って。
●もちろん“音楽を作る”ということは、僕のような人間には分かり得ない苦労があると思うんです。でも、それはどの作品にも通ずるわけで。今回はそれ以上の苦しみもあったと。
 …うん、だから本当にプライベートなことだね。特に6月と7月は本当に酷かった。気候の所為…いや、気候の所為にするのは良くないんだけど。夏って好き?
●嫌いです。
 そうだよね。俺も嫌い、1年中冬でもいいのに。で、そういう外に出たくない気候も少し手伝って廃人のように家に籠る日も増えて、生活習慣も悪くなるし。そうなるとフィジカルもメンタルも下がる一方で、制作にも支障をきたすし。で、その制作でのイライラが人間関係にも新たな亀裂を生むし…っていうバッドサイクルにハマっちゃった時期があった。本当はライブも並行してちょこちょこやりたかったんだけど、どうしてもステージ上で気持ち良く歌える自分がイメージできないアンバランスな状態が続いていて。
●そんなときに救われた音楽ってあります?
 こういうことを言うと凄く気持ち悪いと思われるかも知れないけど、やっぱり自分の曲に救われたかな。かつての自分が作って、歌い続けてきたメロディと言葉だから、当然シンクロもするし共感もするし、どこか励まされるような感覚もあって…。あとはお酒かな。うん、お酒に救われることも多かった(笑)。
●いつからそんなにお酒好きになりましたっけ?
 「俺はグビ」を作ったときって実はほとんど呑めない人間だったから、本当にここ2年くらいからかな。ワインも飲むしビールも飲むし、ウィスキーとか…あと焼酎も好きだし。
●つまり酒ならなんでも好きってことですね(笑)。
 そうだね。家で1人で飲むこともあれば、友人のシンガーソングライターと飲みにいくこともあるし、マネージャーの潤くんに連れていってもらうことも多くて。大体2人とも最後にはデレンデレンに酔っぱらっちゃうんだけど(笑)。
上村潤マネージャー:この前なんか店の人から真剣に怒られましたからね。「お前飲み過ぎだ!」って(笑)。
 そんなことあったっけ(笑)?
上村潤マネージャー:あったよ! なんか入社したての頃を思い出した。“ああ、昔こういうことあったな”って(笑)。長澤は人の迷惑になる酔い方をしないんですよ、あまり顔にも出ないし。少しテンションが高くなるくらいで。そこは羨ましい。
 まあ、息抜きだからね。そういうことや音楽に救われてなんとか完成したアルバムなので(笑)。本当はもっとハッピーに…ハッピーっていうのは言葉やサウンドって意味じゃなくて、俺自身がハッピーな状態でアルバム1枚まるごと作ることができたらいいなと思っていたんだけど、結果的に浮き沈みも楽曲に現れたかな。
●まあ、人間ですから。
 うん、人間ですから(笑)。今は最初も言ったように、メンタルも上を向いてきているし。
●暑さも少し和らいできましたし(笑)。
 そうだね、今日はまた少し暑いけど。だから速攻で仕上げてみんなに聴いてもらいたいってことと、早く次の作品を作りたい…そういう前向きな気持ちでいれてるかな。
●近日中にアルバムと1曲1曲に関するインタビュー(Facebook先行掲載コンテンツ)も行う予定なんですが、先行シングルとしていち早くリリースされた「誰より愛を込めて」は先にお話を訊かせてもらえればと。ハイライトだらけの今回のアルバムにおいても、やはり鍵になっている曲ですので。
 まだ去年の段階ではミニアルバムになるのか、あるいはフルアルバムになるのか定まっていなくて。結構話も二転三転していた時期があったんですよ。ただ、どういう形態の作品になろうと「誰より愛を込めて」は言ってくれたようにひとつのフックになるだろうなと予感していて。そんなときに知人に聴かせてもらったNabowaの音源がとても素敵だったことを思い出して。是非、一緒にやってほしいとお願いして。京都まで彼らに会いにいってセッションをしました。
●今まで長澤知之の元に様々なミュージシャンが集まる形から、バンドの中に長澤くんが飛び込む初の形となったわけですが。
 うん。彼らは10年以上バンドとして築き上げた関係性と音楽観があるわけだから、それこそ1対4で挑むような感覚で…。
●“対”って(笑)。戦うわけじゃないんですから。
 でも最初はガチガチに緊張したよ。関西独特のノリもあるんじゃないかなとか。これは偏見なのかも知れないけど、凄くアグレッシヴな印象もあるから。“ここでこうやって、こうやったらええねーん!”みたいな人たちだったら上手くやってけないかもとか(笑)。でも実際は全然そんなことなくて、とても穏やかで真面目な人たちだったから安心した(笑)。
●まあ県民性なんてあってないようなもんじゃないですか。長澤さんも全然福岡の方言とか出ないですし。
 でもやっぱり地元に帰ると凄く出るよ。(マネージャーの上村)潤くんも関西にライブやプロモーションで行くとメチャクチャ関西弁になるし。
潤マネージャー:そうですね(笑)。九州弁の長澤は普段より何割増か頼もしく感じますよ。
●そうなんですか(笑)。ではキャラクターがしっかり分かってからはすぐに打ち解けられましたか?
 いや、こういう性格だから、すぐってわけにはいかなかったんだけど。彼らが大人で…と言っても1、2歳しか変わらないんだけど、彼らの方から積極的に心を開いてくれて。有り難かった、本当に。ヴァイオリンも今まで縁遠い楽器だったんだけど、(山本)啓くんは本当に歌うようにヴァイオリンを弾くから、凄く身近に感じたんですよね。とてもフィーリングで共鳴しやすかったし。
●ラジオでもトークはほぼ任せっきりでしたよね(笑)。
 楽だったし、助かったあ(笑)。啓くんとギターの(景山)奏くんとプロモーションすることもあったんだけど、そのときも2人に任せておけば大丈夫って安心感があったから、生放送なんかでも気持ちを楽にできたというか。これがバンドの強みだよなあと。
●バンドの強みがラジオで発言しなくてもいいことですか(笑)。そもそも長澤くんってどれくらいバンドを組んでいたんでしたっけ?
 デビュー前に7、8つやってたかな。ヴィジュアル系と、あと…メロコア? スカパンク? …って言うのかな。そういった音楽がとても流行していた時期で、周りでバンドを組もうと思っても大半がそういう音楽を嗜好していた人たちだったから。入ってみては無理矢理ビートルズをやらせてみようとしてみたんだけど、全然やる気になってくれないしさ。じゃあ、もうひとりでいいやってなって…今に至っている感じなのかな。だから、Nabowaと一緒にやれたことは昔やりたかったことを疑似体験しているような感覚があって。うん、嬉しかったな。これは究極に最悪な言い方かもしれないんだけど、イメクラに行くってこういう感覚なのかな。
●究極に最悪な言い方ですね(笑)。
 (笑)でもNabowaには本当に感謝していて。「誰より愛を込めて」は今回のアルバムの中でも一番自分の予想もしていなかった形になった曲で。この曲は音楽を賛美する歌だという意図と、それぞれの楽器が同等に鳴らされている感じにしたくて。俺の声も、ヴァイオリンもギターもベースも同等に並んでいる感覚でやってほしいとお願いしたんです。だから彼らも本気でぶつかってくれて、最後の長いアウトロも全員で歌い合いっこをしているような感じになって。Nabowaの4人も楽しんでくれたからこそ、ああいうハッピー感が出たと思うし。
●アルバムではもう1曲、Nabowaとの共演曲がありますよね。
うん。当初は考えていなかったんだけど、「誰より愛を込めて」がとても素敵なことになったから1曲お願いして。そっちの曲は更に彼らにお任せしてる。ギターリフに関しても奏くんに任せちゃったし、俺はギターソロと後半のオブリを少し弾いてるくらいで。凄く楽だったし、楽しかったし、新鮮だった。
●Nabowaと賑やかな音世界を編み上げた楽曲もあれば、弾き語り+αの曲もあり、今回はとにかく自由ですよね。ソロであることの強みが存分に現れている気がします。
 これまでもツアー・メンバーが変わったりっていうのはちょこちょこあったじゃない? だから…それくらいから、演奏する人が1人変わるだけで生まれる音や空気感の変化みたいなものは感じていたんだけど、それをなかなか音源にも持ち込もうって気にならなくて。特にギターとコーラスを人に任せることは考えられなかったんだけど、フラットに冷静に考えてみたら、全然有りだよなと。あと変な話だけど、半ばバンドに対する逆ギレみたいなところもあるのかもしれない。“お前ら(バンド)じゃこんな自由にできないだろ!”っていう感じで(笑)。
●結果、これだけ多くのミュージシャンがクレジットされるアルバムになったと。
 実際、自分でもこんなに多くなるとは思ってなかった(笑)。最初は2、3曲くらいで新しい方に参加してもらおうかなって意識だったんだけど、 “この人とやりたい、あの人とやりたい”って思い付くまま挙げていったら、これだけの人数になって。有り難いことにそういったミュージシャンを紹介してくれる繋がりもかつてより増えたし。周りから“この人とやったら面白いんじゃない?”って提案してもらうこともあったり。だから結果的にこれだけの人数が参加してくれる作品になったという感じで、本当に自然な形としか言えないんだけど、『PAPER STAR』の頃の俺じゃ考えられなかったことだから、そこは凄く感謝しています。
●Facebookでは制作途中の様子を写真で窺い知ることができたんですが、中でもチェロで遊んでいる長澤くんが印象的でした。“一体何を企んでいるんだろう?”と(笑)。
 ああ、あれは完全に“できないことをやってみようシリーズ”みたいな感じで。一応、“自分でもストリングスってできるのかな?”と思って触ってみたんだけど、難し過ぎて速攻で辞めた(笑)。ただギター以外の楽器に触れることで生まれる発想やアイデアは確かにあって。前回も使ったグロッケン(鉄琴)、あと今回は特にカリンバ(親指ピアノ、ハンドオルゴールとも呼ばれるアフリカの民族楽器)から生まれるフレーズも多かったかな。シンセサイザーが与えてくれるヒントもあったし。実際にレコーディングで演奏したのは相変わらずギターだけなんだけど。
●メインギターはお馴染みのレスポールとセブンティーセブンギターズのアルバトラスですか?
 そうだね、ライブと一緒。やっぱり一番弾いていてしっくりとくるから。あとは事務所にあったテレキャスターと。あっ、あと何だっけ? あのVの形をしたギター。
●フライングVですか?
 そう、それを1回だけ使った。中音域が凄く出てカッティングなんかのときには良いんだけど、我ながらああいう形のギターを持ってる自分の姿は違和感があった。
 意外と似合いそうですけどね。ライブで使ってみたらいいんじゃないですか?
上村マネージャー:いや、本当に結構似合ってたよ。
 絶対にやだ(笑)。
●ギターと言えば、赤い公園の津野米咲さんが参加していますね。前回のミニアルバムでは長年の付き合いである佐藤洋介(COIL)さんが「あんまり素敵じゃない世界」でギターソロを弾いていましたが、今回の経緯は?
 ちょうど1年前、福岡のイベントで赤い公園と一緒になることがあって。そこで津野ちゃんの方から話しかけてくれたんです。一生懸命“『P.S.S.O.S.』にどれだけ救われたか”みたいなことを語ってくれて。それが嬉しくて、ずっと彼女のことは覚えていたところに、「今回、赤い公演の津野さんとやってみない?」って話が持ち上がって。1年前のことが無かったら少し抵抗があったかも知れないけど、是非ギターとコーラスをお願いしたいなと自然に思えた。
●レコーディング現場はいかがでした?
 もう、凄い独特だった(笑)。TOKIEさんや(あらき)ゆうこさんだったり、女性ミュージシャンと一緒に音楽をやることは最近増えてきていたけど、自分より遥かに年下の女の子とレコーディングをする経験が今までに無かったし。どんな話題を振っていいのやら…と言うか、ただでさえ上手い世間話のネタもまったく持ち合わせていない人間だから。でも津野ちゃんは常に楽しそうにしてくれていて、俺の意図をしっかりと汲んで素敵なギターとコーラスを入れてくれて。それが本当に救いになったなあ…。
●津野さんであったり、THE NAMPA BOYSの小林聡里さんであったり、長澤くんのことを愛している後輩ミュージシャンも増えてきましたが。
 うん。それは単純に嬉しい、ありがとうって思う。でもそれは彼らがミュージシャンだからってことではまったくなくて、嬉しい言葉を色んな形でくれるファンの人たちに対する気持ちと変わらない。そう言ってもらえることを目的に音楽を始めたわけじゃないけれど、そういう人たちのお陰で維持できている、続けられている部分も多いから。
●他に新しい人と音楽を奏でることで新たな発見は?
 あっ、初めてサックスを入れた曲があるんだけど、なんか…笑っちゃうんだけどカッコ良いよね、アレ(笑)。
●笑っちゃいませんけど、カッコ良いですよ(笑)。
 なんだろうな、まったく畑違いなジャンルや楽器を自分の音楽に取り込むのってめちゃくちゃ気持ち良くて。昔「もう赤い薔薇」(『PAPER STAR』収録)で雅楽の人と一緒にやらせて頂いたときもそうなんだけど、今回も“うわっ、俺の曲にサックスが入ってる!”ってのが自分でも面白い。
●その畑違いの楽器の場合、演奏はどのようにお願いしたんですか?
 本当に抽象的なんだか具体的なんだか分からないイメージ。今回もサックス・プレイヤーの栗原(健)さんに伝えたのは「バイト終わりに缶コーヒーを飲みながら朝焼けを見ている感じで…」という無茶なものだったんだけど、完璧にそのイメージ通りに演奏してくれて。サックスって凄くフィジカルな楽器…というのは偏見なのかも知れないけど、とても情感を繊細に出せる楽器なのかなって思って。そういうふうに色んな体験ができるって意味でも、ジャンルの違う人とやれるのは良い経験だし、何より楽しい。
●一方で、今回はデジタル・ヴォイスとの掛け合いが印象的な曲も驚きでした。勝手に長澤くんは機械的なサウンドに抵抗があると思っていたので。
 ううん、それは誤解。サウンドが無機質なものであったとしても、その音で奏でるメロディがちゃんと人の血の通ったものなら好きになれるし。俺のこの声と交わったときに、どういう効果が生まれるのかは楽しみでもあったし。聴いてみてどうだった?
●長澤くんが来る前に少しだけ潤さんと話していたんです。実は今のところ、この曲が一番好きなんですよ。
 ああ、昔から俺の音楽を聴いてくれている人がそう言ってくれるのは嬉しい。長澤知之がかつてああいう歌を歌ってきて、今現在ここに立ってこういう歌を歌ってるっていうのを知ってくれている人がちゃんといるっていうのは…なんだか自分が思っている以上にドラマチックなことなのかなと思うようになりましたね、特に最近。
●獏とした言い方になりますけど、今回は楽しそうに歌ってるなと思える曲が多くて。
 『SEVEN』のときにも言ったかも知れないけど、段々と自分の声に対するコンプレックスが剥がれ落ちていってて。まあ、あくまでも昔と比べてってことなんだけど、大分伸びやかに歌えるようになってきた実感は今回のレコーディングで確かにあって。精神的に沈んでいる状態のときでも歌録りのときは心が穏やかになったくらい。自分でも全曲気持ちよく歌えたなあとは思います。
●メンタル面で沈んだときは“自分の音楽に救われた”と仰っていましたが、他にこの1年で良く聴いた音楽は?
 今また昔に戻っていて、ビートルズだったりジミヘンだったり。やっぱりこの辺の音楽は相変わらず好きだな。ビートルズで言えば多分人生で一番聴いているのは『Abbey Road』、『The Beatles』(通称ホワイト・アルバム)なんだけど、最近は『A Hard Day’s Night』のモードというか、特に良く聴いてる。あっ、ディレクターの米納さんが薦めてくれたダーティー・プロジェクターズは比較的最近の音楽だけど良く聴いたかな。美しくて素敵だった。あと知り合いのミュージシャンのCDは良く聴いたな。これは最低な聴き方かも知れないけど、歌詞を読みながら“本当はそんなこと思ってねえだろ(笑)!”とか、“ああ、あいつにもそういう時期があったんだな”とか。なんか写真の方のアルバムをめくりながら“まだ若々しいな、こいつ”っていうのに近い聴き方。で、もし誰かが『僕らの輝き』『PAPER STAR』から『SEVEN』や今回のアルバムまでを一気に聴けばそういう感覚になるのかもなとも思うし。そう言えば戸川くんは映画って良く観る?
●いやあ、全然観れてないですね。昔と違って勧善懲悪ものや分かり易いハリウッド映画とか観たいんですけどね。やたら爆発シーンが多いような。  うん、分かる。この前『テッド』を観る機会があったんだけどさ…。
●あの熊のやつですよね。意外にも俗っぽい映画を(笑)。
 でも観てみると本当に、本当に馬鹿馬鹿し過ぎて最高だった。あと『チャイルド・プレイ』とか今観ると馬鹿馬鹿しくて爆笑しちゃうんだろうなって思う。うん、なんか最近はそういうものも楽しめるようになってきた(笑)。
●では次回のインタビューまでに『テッド』は観ておきます。(笑)。というところで今回はまとめに入ろうと思うんですが、まだ(8月28日時点)でアルバム・タイトルは決まっていないんですよね。長澤くんは割と早い段階で付けるイメージがあったんですが…。
 いや、それは色々だよ。確かに初期の段階で象徴的な言葉が閃いて、そこに向かって曲を作っていくこともあるけど、1曲1曲と同じで歌詞が先かメロディが先かくらいの感覚かな。でも一応いくつか候補は頭の中にある。曲順も何通りか考えている状態で、結局は自分がキュンとくる流れならなんでもOKだと思っているんだけど、やっぱり後味の悪い終わり方にはしたくないし。
●収録曲はすべて今回のアルバム用に制作した楽曲ですか?
 『JUNKLIFE』に入らなかった曲…っていう言い方は誤解を与えそうだけど、良い悪いじゃなく、単純にあのアルバムの色彩の中には居場所がなかった曲で、今回やっと収録させられた曲もあるよ。まだまだ温めておきたいって理由で残している曲が実はたくさんあるし、「この曲を歌うのはこのアルバムじゃないな」っていう気持ちになる曲もあって。ただ、その曲を作ったときの俺の気持ちは紛れも無く本当だから。いつか歌える作品として世に出せたらなって思ってる。
●気の早い話ですけど、もう次のことを考えていそうですね。
 うん。明確に考えているわけじゃないんだけど“次はこういう感じで音楽と遊びたいな”って、本当に漠然とした意識はある。だけど、それも日々変わっていくものだから、1ヶ月後の自分が何を言ってるかも分からないし。変に有言実行じゃなくて、自由にやりたいかな。まだまだ表現方法にしろ、形態にしろ、色んな可能性があるってことは今回更に分かったし。
●それくらい音楽的な広がりと新しい試みも多い作品です。
 うん。でも…こう、人生って本当に何が起こるか分からないし、考えられないほど沈むときも上がるときもあるだろうから、俺の音楽をずっと聴いてくれていて、作品毎にシンクロしてきてくれた人を失望させるような、禍々しい音楽を作ることももしかしたらあるかもしれないけど、そうなったときは素直にそれを形にすれば良いと思っているし。“次のアルバムはこうします!”“今後はもっとこういう方向性に進みます”って宣言する有言実行も立派だとは思うけど、やっぱり俺はもっと自由に、その時々でやりたいことを自由にやりたいから。その結果、生まれた音楽を好きだって人がいてくれるのならそれ以上のことは無いし。
●そうですね。最後に長澤知之の新作を心待ちにしている方々に改めて来るニューアルバムの紹介をしてもらってもいいですか?
 えーっと、とても素敵なアルバムになったはずです。年末、年明けから動き出しながらも、なかなか実を結ばず鬱屈した日々を経過してなんとかみんなに聴いてもらえる状態になりつつあります。前のフルアルバム『JUNKLIFE』のような作品を期待していた人にとっては良いも悪いも含めて違った感覚を覚える作品になったんじゃないかと。でも、音楽は聴いてくれた人ひとりひとりのものなので、歌詞にしてもメロディにしても俺が“俺がこう伝えたかった”“このフレーズを聴いてほしかった”とかは関係ないと思っていて。だから、みんなの日常の中で好きに聴いて、好きに愛してくれたらうれピーです(笑)。
●“ピー”っていうのは照れ隠しですか(笑)?
 なんとなく(笑)。ライブに関しても今年が少なかった分、徐々に…徐々にだけどやっていこうと思ってるし、細かいことはまだ決まっていないけどツアーも予定しているし。また直接会う機会に仲良く楽しめればなって思ってます。

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【ライブレビュー】

12月14日(土)
「黄金の在処」発売記念~シークレット ライド7~
渋谷WWW

長澤知之が共演したいアーティスト/バンドをゲストとして招待する対バン型自主企画イベント“ライド”。中学生時代からの憧れであった TRICERATOPSとの共演を果した前回から約2年振り、7回目の開催となる今回は東京と大阪での展開。先日リリースされた2ndフルアルバム『黄金の在処』発売記念としての意味合いを持つため、両公演ともゲストは“『黄金の在処』に関わりのあるアーティスト”とだけアナウンスされる“シークレット ライド7”となった。
 定刻を少し廻った頃、お馴染みの黒いハットを被った長澤がふらりふらりとステージイン。アコギの調子を軽く確かめると、“1曲目はみなさんに捧げます” と「左巻きのゼンマイ」でスタート。11月に行われたインストアイベントでは久々のステージに些か緊張も窺えたのだが、この日は幾分リラックスしているように映る。早くも会場には笑顔とハンドクラップが咲き乱れる。続け様に「センチメンタルフリーク」「明日のラストナイト」と染み入らせるようにスローな楽曲を披露すると、長澤から「みなさん、ライド7へようこそ」と一言。満員からの拍手を受け取った後、「まず弾き語りで自己紹介させてもらってます。この、 ライドってイベントは…“徹子の部屋”みたいなもんで」と続けると、ファンからはどよめき混じりの笑いが起こる。多くの人の頭の上にはクエスチョン・マークが見えた。
 その様子に長澤は慌てながら「いや、俺が徹子でゲストをお呼びして。で、具合が良ければ…」、なんと口べたな黒柳徹子か。半ば強引に「まあ、ゆっくり聴いてくれてもいいし、周りに迷惑かけない範囲で踊ってもいいし。好きに楽しんでください。どうぞよろしく」と話をまとめると『黄金の在処』収録の「無条件幸福」で長澤の弾き語りコーナーは終了。
 数分間のインターバルから、ステージに颯爽と現れたのは上下共に白の衣装でまとめた少女たち4人。そう、東京公演のゲストは赤い公園。『黄金の在処』収録「そのキスひとつで」でコーラス&ギターとして参加した津野米咲擁する新進気鋭のガールズバンドだ。乗っけから聴き手のフィジカルに問答無用で訴えかけるファンキーかつダンサブルな「今更」で一気に掌握してしまう。また、津野とベースの藤本ひかりは10代の頃から長澤の大ファンゆえか、とにかくこのステージを楽しもうというポジティヴなエネルギーがステージから迸っている。とは言え、分かり易くアッパーな楽曲は冒頭の「今更」のみ。それ以外はメロディと言葉をしっかりと聴かせる、ある意味対バン形式の、それもゲスト側としては勇気のいるセットリストが組まれていた。考え過ぎかも知れないが、長澤と長澤のファンを意識して用意されたメニューだったのかもしれない。そして遂に4曲目、バンドにとっても大切な曲である「くい」。中盤からのBPMが上がるタイミングでボーカル・佐藤千明に呼び込まれる長澤(駆け足でステージインする長澤を、初めて見た気がする)! 歌も演奏もエモーショナルに振り切れたこの曲 に、長澤の歌声が合わないわけがなく、サビでは佐藤の痛切な声とのユニゾンに鳥肌が。ただでさえ轟音のアンサンブルも、更に長澤がレスポールを掻き鳴らすことで、より混沌を増していく。長澤が「赤い公園最高!」とだけ残してステージを去ったあとも、赤い公園は「私」「ふやける」とインディーズ時代の楽曲を 骨身も残さぬほどの絶唱。全6曲の演奏ながらも、オーディエンスの胸にその音楽を強く刻み付けたことは、暫く止まなかった拍手が証明していた。
 セットチェンジを経て長澤がバンドセットで登場(セットチェンジ中、津野も出演する「そのキスひとつで」のMVがスクリーンに投影された)。まさかの 「徹子の部屋のテーマ」をSEに、メンバーがそれぞれの位置に着く。この日が初お披露目となった新バンドは長澤に加え、ギター・西川進、ベース・松田 “FIRE”卓己、ドラム・タナカジュンの4人編成。とにかく、ルックスのバラバラ具合が面白い。学生時代、仮に4人が同じクラスでも同じグループ、部活 には属さないだろう。そんな新バンドが1曲目に選んだのは「STOP THE MUSIC」。エフェクティヴなプレイを大得意とする西川のギターが、CD音源以上の宇宙的広がりを加える。ゆっくり、ゆっくりとバイオリズムを重ねていくようなアンサンブルにオーディエンスは神経を集中させ、続く「あんまり素敵じゃない世界」が終わる頃には惜しみない喝采で新たな長澤バンドを迎え入れる。「スーパーマーケット・ブルース」の間奏では西川とFIREがステージ前方へ踊り出し、CD音源ではサックスで表現されている男たちの喧嘩を再現、アウトロの哀愁たっぷりのサックスソロも長澤のギターで置き換えたりと、随所にこの4人で表現する『黄金の在処』が形になりつつあることを窺わせる。その後も『黄金の在処』収録曲を軸としつつ、「零」「THE ROLE」「JUNKLIFE」と長澤のディスコグラフィーの中でも屈指の攻撃的ナンバーを並び立てる。どんな曲でも終始満面の笑みを浮かべているタナカと、激しいステージングで長髪を振り乱すFIREによるパワフルなリズムセクションは、こういった楽曲で一際活きる。
 長澤の簡潔過ぎるメンバー紹介を終えてからの中盤戦では、一転してスローで幽玄な楽曲を固める。「フラッシュバック瞬き」ではステージバックに楽曲とシンクロした抽象的な映像が投影され、「マンドラゴラの花」は西川が歴代ギタリストと一味違ったアプローチで聴かせる。バンド編成で演奏すること自体が珍しい「僕らの輝き」ではストリングス音源と同期して演奏するなど新しい試みも見ることができた。
 本編を「GOODBYE,HELLO」「夢先案内人」で終え、アンコールは「そのキスひとつで」から。当初の予定では、赤い公園の津野がゲスト参加の予定だったが、体調不良によりやむを得ず4人での演奏となった。あの美しいハーモニーを聴くことができなかったのは残念だが、次の共演で実現することを楽しみにしている。そして、あっという間に迎えたアンコールラストは「誰より愛を込めて」。西川、長澤、FIRE、タナカの順でソロをリレーで回し、アウトロもライブの終わりを惜しむように長尺のセッションパートを用意。まさしく大団円の中で全セットリスト終了…と思いきや、客電が付き、SEが流れても鳴り止まないWアンコールを求めるハンドクラップ。制作に集中するため、ライブの本数を減らしていた2013年。ファンの飢餓感はピークに達していた模様。その思いに応え、長澤が再びアコギ1本を持ってステージへ。流麗なアルペジオによるイントロから「いつものとこで待ってるわ」が始まる。比較的披露することの少ないレアな選曲に、ファンは歓喜の声を上げる。が、2コーラス目の入りでパタリと演奏が止まってしまう。完全に歌詞が浮かんでこないアクシデントだ。長い沈黙に笑いが起こる中、ファンからの見事なアシストで無事に再開し、最後まで歌い終えた長澤は「助けてくれてありがとう!」とステージを去り、なんとも締まらない、だが最高に和やかなムードで約2年振りのライドは幕を降ろした。久々のバンド編成によるロングセットにして、新バンドによる初のステージ。もちろん、まだまだ伸びしろを感じさせる部分はありつつも、だからこそ来年2月からスタートする全国ツアー“Nagasa・Oneman8 Band Ver.”をより楽しみにさせてくれる一夜だった。

SETLIST
長澤知之
01.左巻きのゼンマイ(弾き語り)
02.センチメンタルフリーク(弾き語り)
03.明日のラストナイト(弾き語り)
04.無条件幸福(弾き語り)

赤い公園
01.今更
02.TOKYO HARBOR
03.透明
04.くい with 長澤知之
05.私
06.ふやける

長澤知之
01.STOP THE MUSIC
02.あんまり素敵じゃない世界
03.スーパーマーケット・ブルース
04.追憶
05.零
06.THE ROLE
07.JUNKLIFE
08.フラッシュバック瞬き
09.マンドラゴラの花
10.黄金の在処
11.僕らの輝き
12.GOODBYE,HELLO
13.夢先案内人

ENCORE
14.そのキスひとつで
15.ねぇ、アリス
16.誰より愛を込めて

DOUBLE ENCORE
17.いつものとこで待ってるわ(弾き語り)


文:戸川健太
カメラ:山本倫子

=====

12月17日(火)
長澤知之 シークレットライド7
心斎橋Music Club JANUS

 長澤知之が共演したいアーティスト/バンドをゲストとして招待する対バン型自主企画イベント「ライド」第7弾の大阪編は、2ndフルアルバム『黄金の在処』に収録の「誰より愛を込めて」「VACANCES」で珠玉のコラボを果たした京都のインストバンドNabowaがゲスト。異種共演ながらも一貫した高揚感に満たされたステージだった。
 まずは歓声と拍手の中、フロアへ手を振りながら長澤知之が登場。「大阪のみなさんこんにちは、ライド7へようこそ」と軽く挨拶した後、ゆらゆらと身体を漂わせながら美しいアルペジオを響かせて「いつものとこで待ってるわ」を披露。続けて「無条件幸福」を情感豊かに歌い上げ、「ライド7へようこそ。ここにいる人しか味わえない空間があるんで、ぜひ楽しんで」と言ってステージを後にした。
 ほどなくしてNabowaの4人が登場し、「SUN」、新曲、「So Fat?」を続けて演奏。長澤とのコラボでは多幸感あふれる祝祭音楽的なアンサンブルを披露した彼らだが、ジャズやボサノヴァなど様々な音楽の要素を取り入れた色彩豊かな楽曲で観客を翻弄していく。インストバンドでありながら弦楽器の奏でるメロディがとても滋味深くて耳馴染みがよく、長澤知之の音楽と見事に溶け合えるのはそれ故かと思うと改めて合点がいった。山本啓(Vio)が「あらためましてこんばんは、Nabowaと申します!僕ら歌がないのに暖かく聴いてくださってありがとうございます、すごい嬉しいです。多分、長澤君の人望のおかげなんでしょうね、みなさんが素敵っていうのは、イコール長澤君が素敵っていうことやと思います」と和やかなMCを挟んで、攻撃的に展開する「きょうの空」「続く轍と懐かしき扉」を続ける。そして「僕らインストバンドなんですけど、中には歌も入ってる曲もありまして。今日はせっかくなんで、長澤君と一緒にやらせていただきたいと思います」とイントロのアルペジオを奏でながら長澤を呼び込み、ラストに「フォーキー」を演奏。長澤は景山奏(G)とアイコンタクトを取って楽しげな表情を覗かせたり、ときにはマイクスタンドを掴みながら一言一言大事に紡ぎ上げ、心地よいリズムに包まれてNabowaのステージが終了した。
 暫しのセットチェンジを経て、東京編と同様“徹子の部屋”のテーマソングがSEとして流れて場内がざわめきと歓声に満たされる中、長澤知之、西川進(G)、松田“FIRE”卓己(B)、タナカジュン(Dr)がステージへ。いざ「STOP THE MUSIC」を奏で始めると、その一音目からたちまち場内の空気が4人に掌握さる感覚に鳥肌が立った。続く「あんまり素敵じゃない世界」では先ほどまで硬直したように見入っていた観客が徐々に身体を揺らし始め、「スーパーマーケット・ブルース」でさらに豊かな曲の世界へと惹き込まれていく。  「どうも、長澤知之です。よろしく! Nabowa凄かったでしょ?こうやって一緒にライブが出来て、オレはすばらしいことだと思います。Nabowaに拍手!」と言ってあらためて挨拶の言葉を告げると、最新アルバムに収録の「追憶」、そして過去に音源化された「零」「THE ROLE」、「JUNKLIFE」を立て続けに披露。松田“FIRE”卓己は真骨頂とばかりにステージ前方へ迫り出して観客を煽り、フロアは手を挙げ飛び跳ね、どんどん熱狂の渦に呑まれていく。バンドメンバーのコーラスと共に響く長澤の絶唱、絶叫ともいうべき歌声は張り詰めつつも伸びやかで、これまでに増して真っ直ぐに胸に突き刺さってくる印象を受けた。ミニアルバム『SEVEN』、そして秋に発売した『黄金の在処』での数多のアーティストとの共演を経て“人と音楽を作り上げることの喜び”を長澤知之が得たことで、それ以前に音源化された楽曲達もまた新たな光を纏ったようだ。
 ここでメンバー紹介を挟んで和やかにクールダウンしたのち、ライブは後半戦へ。その詞世界を表現するように小さく明滅するライティングの中で歌い上げた「フラッシュバック瞬き」と西川のギターでより深く響くアレンジに仕上がった「マンドラゴラの花」で観客を惹き込み、アルバムのタイトル曲である「黄金の在処」を悠然とした長澤のアコギと歌声を軸に3人が彩っていく。暗がりで毅然と輝く光を思わせるこの3曲から続く「ねぇ、アリス」で目の前全体が明るく開けるように転じた後、「Yeah! 元気か? 今日はホント来てくれてありがとう」とあらためての感謝の言葉と、2014年2月から敢行されるツアー“Nagasa・Oneman8 Band Ver.”の告知を経て「GOODBYE,HELLO」「夢先案内人」の2曲を披露して喝采の中で本編が締めくくられた。
 アンコールではまず長澤が一人でふらりと登場し、「アンコールありがとうございます。Nabowaの山本拓君と景山奏君を呼びたいと思います。山本啓君、景山奏君ー!」と何度もフルネームを繰り返して呼び込むと、山本が「どうも、山本啓君と景山奏君です」と更にフルネームで自己紹介して場内に笑いが。そして山本と長澤がステージ上で共演したというオーガスタキャンプの思い出を語り、3人で「スリーフィンガー」を演奏。そしてさらに堀川達(Ba)、川上優(Dr)を呼び込んで「VACANCES」を披露して場内が歓声に包まれる中、長澤が「みんなに伝えたいことがあるんですけど、いま滅茶苦茶緊張してて…」と、先ほどの歌い振りからは意外な一言が飛び出しつつ、「愛を込めてこの曲をお捧げいたします」と言って「誰より愛を込めて」を高らかに歌い上げて全セットリストが終了。しかし、鳴りやまないアンコールの手拍子に再び長澤が登場してダブルアンコールへ! 「(裏で)今日はいいビールが飲めるねって話をしたんで、この曲をやります!」と言って「俺はグビ」を弾き語りで披露し、暖かい歓声とハンドクラップに包まれての大団円となった。
 異色とも言える新体制のバンドメンバー故のかつてないアレンジや同期を駆使しての演奏によって、新旧の楽曲を織り交ぜたセットも違和感なく全てが瑞々しく生まれ変わり、そしてNabowaとの多幸感あふれる共演など、楽曲の新しい表情に心が躍る一夜だった。アルバム『黄金の在処』に収録されつつこの日のライブで聴くことのできなかった楽曲も披露されるであろう“Nagasa・Oneman8 Band Ver.”を心待ちにしたい。

SETLIST
長澤知之
01.いつものとこで待ってるわ(弾き語り)
02.無条件幸福(弾き語り)

Nabowa
01.SUN
02.新曲:タイトル未定
03.SoFat?
04.きょうの空
05.続く轍と懐かしき扉
06.フォーキー with 長澤知之

長澤知之
01.STOP THE MUSIC
02.あんまり素敵じゃない世界
03.スーパーマーケット・ブルース
04.追憶
05.零
06.THE ROLE
07.JUNKLIFE
08.フラッシュバック瞬き
09.マンドラゴラの花
10.黄金の在処
11.ねぇ、アリス
12.GOODBYE,HELLO
13.夢先案内人
ENCORE
14.スリーフィンガー with 山本啓、影山奏
15.VACANCES with Nabowa
16.誰より愛を込めて with Nabowa
DOUBLE ENCORE
17.俺はグビ(弾き語り)


文:戸川明日香
カメラ:山下佳子

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【イベントレポート】

長澤知之
11月15日 渋谷タワーレコードB1F CUTUP STUDIO

 「ああ、皆さん結構着られてますね、部屋着のような服を。昨日ブログでお願いしたんで。まあ、そういう気楽な感じで聴いてってくださいね。…どうも、長澤知之です。こんにちは!」。そんな長澤らしい言葉で幕を開けた2ndフルアルバム『黄金の在処』のインストアイベント。弾き語りスタイルのミニライブとは言え、年明けから夏までを制作に費やしていた長澤にとっては今年初のワンマンとも言える。タワーレコード渋谷店地下1階のCUTUP STUDIOには大勢のファンが詰め掛けた。
 そんなオーディエンスに感謝を伝えるように、長澤が1曲目に選んだのは「誰より愛を込めて」。アコギ1本の演奏だがギターソロも決め、シャウトもバッチリだ。Nabowaの豊潤なアンサンブルは無いものの、会場は早くも多幸感で包まれる。続け様に「あんまり素敵じゃない世界」を披露すると、この日2度目の「どうも、長澤知之です」。暖かい拍手の中、「今日、ここに集まってくれている方々は『黄金の在処』をご購入された方と判断してよろしいわけですね?」、ファンは先ほどよりも一層大きな拍手で応える。「それは何よりだ。“ありがとう”って歌で伝えたいけど、次の曲は怒りと憎しみを込めて作った曲です(笑)」と「スーパーマッケット・ブルース」へ。CD音源ではファルセットで歌われるサビ部分は喉が張り裂けんばかりのシャウトになり、アルペジオも激しいストロークになっていく。演奏後、「爪が剥がれた」と呟く長澤。それでもなお、続く「そのキスひとつ」でも終盤でけたたましくアコギを掻き鳴らす。その姿と音が切迫した歌詞と相まって強烈に迫ってくる。この曲が終わっての拍手は他の曲と比べてワンテンポ遅かった気がする。圧倒されたのだろう、少なくとも私はそうだった。
 中盤戦も「追憶」「黄金の在処」「無条件幸福」と、3曲目に演奏された「スーパーマーケット・ブルース」以降はアルバムと同じ曲順で『黄金の在処』の世界観を提示する。しかし、ここで思わぬサプライズが。「来年のNagasa・Oneman8とか、バンドセットでやれば良いやと思ってたけど。どの曲も最初はアコギ1本で作ってるからね。予定に無かった1曲を」と、アルバムでは2曲目に収録されている「フラッシュバック瞬き」を披露。CD音源では四つ打ちのキックとデジタルヴォイスをフィーチャーしている為、アルバム中で最も弾き語りに適さないかと思いきや、これが絶品。夢と現をたゆたうあの感覚が、ヴォーカリゼーションの機微とストロークの抑揚で見事に再現されていた。
 「今回のアルバムに対して色んなミュージシャンの方がコメントを寄せてくれているんですけど、中学の頃コピーしてたTRICERATOPSの和田唱さんがこの曲が好きと言ってくれて嬉しかった。だって、そんな中学時代に作った曲だからね(笑)」と「あとの祭り」を奏で上げ、ラストは「GOODBYE,HELLO」。フロアから自然発生するハンドクラップ、長澤の歌声も今日一番の伸びやかさだ。“グッバイ そしてハロー また会おうよ”、その歌詞は長澤と満面の笑みをたたえたファンが結ぶ尊い約束として鳴り響いた。が、再会のときは直ぐに訪れた。インストアでは珍しいアンコールを求める拍手が次第に大きくなっていく。その予想外の出来事に長澤は少し照れながら、しかし嬉しそうに再びステージイン。「どの曲にしようかと迷ったけど」と、アルバムのラストに収録されている「STOP THE MUSIC」の幽玄なリフが始まる。リバーブを深く深くかけたギターサウンドに、数百人収容の会場にも関わらず、目を閉じているとアリーナ、ホール、あるいは宇宙にいるかのような錯覚に陥らせる。冒頭の「誰より愛を込めて」で覚えた長澤の部屋に招かれたような感覚から一転、改めて『黄金の在処』と長澤知之の深淵に驚嘆していたところで“もう おしまい もう おしまい”と約1時間のライブは終了。何度も頭を下げながらステージを去る長澤の姿が印象的だった。
 12月には東京と大阪で“シークレット ライド7”の開催、そして来年2月からは全国ツアー“Nagasa・Oneman8 Band Ver.”がスタートする。まだまだ輝きを増していきそうな黄金たちに出逢える日を、今から心待ちにしている。

SETLIST
1.誰より愛を込めて
2.あんまり素敵じゃない世界
3.スーパーマーケット・ブルース
4.そのキスひとつで
5.追憶
6.黄金の在処
7.無条件幸福
8.フラッシュバック瞬き
9.あとの祭り
10.GOODBYE,HELLO
EC.STOP THE MUSIC

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【コメント】

きゅう~。
今回もやられてしまった。
「黄金の在処」、もうタイトルだけで素晴らしいアルバムだ。

いつも真摯でまっすぐで、
どんな時も火を絶やさずに燃やし続けている長澤さんの音楽は、
いつも背筋がしゃんとなるような正しい力をくれる。

夢のようで夢じゃない、
ここにある風景がぐんぐん迫ってくる。
今が全てなんだって心が頷く。

うまく言葉にできないから、
とにかく聞いて欲しいです。
これこそが本当の音楽だなと、わたしは思う。

蒼山幸子(ねごと)
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冒頭、90's ブリットポップ・ビートを彷彿とさせる明るいグルーヴ、メロディにのせて『バイバイ この野郎 もう会わないよ 』と聞こえてきた瞬間、思わずニヤッとするわけです。
フックのあるメロディに胸をえぐる言葉の数々による詩、多くの仕掛けでリピートすることの楽しさを与えてくれるカラフルなアレンジ(今回、特に!)。それらの併立を実現させる情熱と才能。ぼくが好きになる音楽の条件が全て備わってます。皆さんにとってもそうでありますように。

秋山タカヒコ(downy)
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ラッキーなことに、彼のデビュー当時から何度かレコーディングを一緒にしてきた。距離感に戸惑った始めの頃と今ではレコーディングでの"喜び共有度" が随分違うように感じる。長澤くん、また呼んでくれるかな。一緒に音出したいな。

あらきゆうこ
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長澤知之の音楽は、ひとりの孤独な心が発する叫びから生まれているものだ。
それは昔も今も何ひとつ変わらないけれど、でも、その孤独な心の中では驚くほど豊かな色彩に溢れる宇宙が無限の拡張を続けていることを、このアルバムは鮮やかに証明している。
物質的には満たされたこの社会で、今なお誰もが狂おしいほどに探し求める「黄金の在処」。そこへ辿り着く鍵は、きっと、この音楽とあなたの心が交わるその場所にこそ、在る。

有泉智子(MUSICA編集長)
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ともちゃん大好き!!

石崎ひゅーい
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「彼の世界感が好きだ。
彼の見ている景色が好きだ。
誰にでもある不満や憤りを
泥臭く、格好つけずに。しかし前向きに進む彼のスタイルがとても好きだ。
本当は、愛に溢れたこの作品を僕は一人で愛でたい。そんな気分にさせてくれる
素敵な作品をありがとう」

ISEKI(キマグレン)
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今までとは違う、新しい長澤君を感じた。
色んなミュージシャンと一緒にやっているからというのもあるかもしれないが、
色とりどりの音楽で溢れている。
それでも相変わらず長澤君は長澤君のままで、気高く孤高の音楽を鳴らしている。
他の誰にも真似出来ない音楽。長澤君の音楽は、僕にとって憧れです。
「黄金の在処」はとても素敵なアルバムだと思います。
僕は大好きです。

一色徳保(つばき)
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長澤君とは、はじめましてで、キタダさんとも
お会いするのは2度目。会って3人すぐに一緒に宇宙へ行ってグルグル~と演奏して、ふんわり着地した感じ。感覚。でした。
そんな楽しかった旅行を思い出すように完成したアルバム聴かせてもらってまーす。ありがとう!

伊藤大地(SAKEROCK)
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知之の声と言葉はいつもヒリヒリしてる。
それは聴くものにも自分に対しても。
世界とノーガードでずっと斬り合っている。
斬り合いに付き合ってくれるリスナーを音楽で探しているような、
それ以外はこっちも興味ねえよって鼻で笑う媚びないイメージ。
そんな知之が新たに出会ったたくさんの仲間達と共に
今作をさらに挑戦的なサウンドに仕上げてる。
聴覚でも視覚でも飽きない、むしろ聴けば聴く程その深さに引き込まれていく本当に素晴らしい作品だね!
俺たちともまた斬り合いやろう!

岩崎 慧(セカイイチ)
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ニック・ドレイクは死んでから知ったけど、長澤知之は昔から知ってる。そのことが本当に誇らしい。孤高の芸術家って、死んだ後にいろんな人から「アイツはすごかった」とか言われるものだけど、こんなに綺麗でポップなアルバムを作ったら、もうみんなに見つかっちゃうね。

宇野維正(音楽ジャーナリスト)
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長澤知之。だいすき。
これまでも、そしてこれからも。

大柴広己
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1曲1曲から音楽が好きだという想いが溢れている2ndアルバム『黄金の在処』。楽曲性の良さはもちろん、多彩なミュージシャンとの親密なセッションも楽しめる秀作だ。長澤君とロックとの相思相愛ぶりと、ギターとの蜜月。この結びつきは誰よりも強靭だ。

大畑幸子(ライター)
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長澤君は俺だと思う。
初めて聴いた時から思ってた。
長澤君の歌は
俺という殻の中で、真っ暗闇のその中で
膝を抱えて泣きながら
それでも誰かを求めていた俺だった。
笑顔の殻の奥で泣いていた俺だった。
そういう風に思ってしまう唄うたいは
長澤君以外にいない。
そうやって沢山の人を殻の中からすくいあげてきたし
この黄金の在処でそれはもっと強いものになると思う。
彼の声に、言葉に、旋律に、ぶっ刺される度に
生きている実感を取り戻す。
本当に、出会えてよかったなあ。
ずっと聴き続けていきたい。
ずっと足掻きながら一緒に生きていきたい。

小高芳太朗(LUNKHEAD)
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才能の切っ先の鋭さに自ら血を流しているようだった長澤の進化に目を見張る。溢れ出るエネルギーと弾力に富んだグルーヴ、色彩豊かで奥行きのある演奏、多様なニュアンスとサウンド。力強い確信に満ちた歌、しなやかな歌心。素晴らしい傑作の誕生だ。

小野島 大(音楽評論家)
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会うといつも紳士な長澤くん。
このアルバムでのインタビューを一緒に受けてても、
自分より先に僕達に発言譲っちゃうぐらい優しい人ですが、
優しいだけではない!
やっぱり秘めてますね。
サウンドはぐいぐい突き刺さる~
長澤くんのメロディー、アレンジ大好きっす!

景山奏(Nabowa/THE BED ROOM TAPE)
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耳に心地の良い声、気持ちを掴む楽曲、長澤知之の世界は日本のスタンダードへとなるだろう!

金子巧 (cro-magnon / Jazzy Sport)
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長澤知之は生粋のロック詩人だと思う。歌詞からは妥協を許さない孤独な精神が伝わる。けれど彼がひとたび楽器を抱えて歌うと、厳しい言葉たちは俄に色づく。『黄金の在処』ではコラボを通して、詩人の精神がより豊かな音楽として結実している。

神谷弘一(リアルサウンド)
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最初、長澤くんのほうからわざわざ京都まで来てくれてスタジオに5人で入ったのですが、同世代ということもあり、終始穏やかな雰囲気で制作で きたと思います。
5人でのびのび演奏しててハッと気が付いたら長澤くんの音世界にどっぷり浸かってた、そんな感覚でした。
アルバム発売おめでとうございます!

川上優(Nabowa)
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「黄金の在処」セッションは毎回イイ感じで。
かなり自由な(笑)演奏ができました。特に「スーパーマーケット~」。
ケイちゃんのファンデもスゴく気になる、groovyで好きな曲。
長澤君のディレクションも、なんか映画監督っぽくて良かった。

キタダマキ
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味わったことのあるつぶやき。声にまとったささくれが刺さる度に広がる情景はサウンドとは裏腹だ。スーパーマーケット・ブルース。
Saxの録音はフレーズではなく、怒り、感触、時間などイメージの伝え合いで進められた。笑いながら。これが楽しくて長澤くんが好きになった。

Saxophone奏者 / 栗原 健
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ドキドキして、興奮して、そして沁みる。
長澤知之が、一層僕の中で輝きを増しました。
まだ見ぬ世界へ連れて行ってくれる、新たな扉。黄金の在処。ヒーロー。知之さん、リリースおめでとうございます。

小林聡里(THE NAMPA BOYS vocal/guitar)
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10位 出所後初の背肝
9位 7日間守り続けてきた蕞の城に到着した山の民の援軍
8位 禁煙7日続けての解禁の1本
7位 ダイエット3ヶ月続けての解禁のラーメン
6位 喘息発生後の深呼吸
5位 消えたい日の猫にダイブ
4位 骨折時ギブス外した後のぽりぽり
3位 監禁拷問後の温泉
2位 首吊りで生き返った死刑囚との再会(夫婦間)
1位 SEVENから黄金の在処までの待ち時間
以上、焦らし至福の時間TOP10をお送りしました

小南泰葉
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"JUNKLIFE"をフェイバリット・アルバムに挙げている人(俺の同志)に朗報。
素晴らしいファーストの後だからセカンドへの期待のハードルを
上げまくっていることだろうけど、心配御無用。
この"黄金の在処"は、全く期待を裏切らずに予想を裏切ってくる新しい金字塔だから。

佐々木亮介 (a flood of circle)
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黄金の在処、僕も探し続けていたが
長澤が先に見つけてしまった…

佐藤洋介(COIL)
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長澤さんの作品はいつも、自分も音楽をやっていることを忘れて聞いてしまうほど好きなので新しい音源をとても楽しみにしてました。
この「黄金の在処」も、バンド、バイト、休日、etc.すべてひっくるめた今の生活の側に居続けてくれるような曲が詰まってて嬉しかったです。早速聴きながらバイト行ってきます。

澤柳昌孝(THE NAMPA BOYS guitar)
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ポップミュージックというのは、ビジネスや時代感と寝転がっている音楽だと思うが、
その一方でそういうものと寝転がっているポップミュージックは、本当のポップミュージックなんかじゃないとも思う。
本当のポップミュージックとは、時代やリスナーがそれを発明や革命として捉え、
その音楽をきっかけに事を起こし始めたり、孤独からの脱却を計る音楽のことを指すんだ。
少なくともこのアルバムの13曲は、聴いた瞬間からドアを蹴り壊して自分内革命が始まるファンファーレを鳴らす。
「黄金の在処」はここにある。

鹿野 淳(MUSICA)
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夕方の公園。暗闇に浮かぶランドリー。彼の曲を両耳に突っ込んでいる時、無性に同じ景色を見てみたくなる。『黄金の在処』。いっそう鮮やかな筆致で描かれた僕と世界との接点。その辺に転がっている見慣れたシーンが、まんざらでもないと思える不思議。

篠原美江(ライター)
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最近、若くて才能あるミュージシャンから「長澤知之の音楽に救われてきた」という話を聞くことがとみに多くて。アルバムを聴くとその理由がすごくわかるんです。音楽に愛されてる。いろいろあっても、それが最後には喜びに結実する。その一筋の光にブレがない。嘘のないアルバムだと思います。

柴那典(ライター)
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「怒る」のは、
純粋だからです。
絶対に汚されたくない場所を持っているからです。
そこを汚してくる糞野郎がいるからです。
そいつに絶対に屈服しない誇りを持っているからです。

純粋なのがロックンロールだって、
僕は大好きなブランキーに教えてもらいました。
逃げない。媚びない。汚れない。
僕は長澤さんの音楽にそんな高潔さを感じたから、
このアルバムは誰がなんと言おうと
ロックンロールアルバムだと思います。

いや、最高のグッドメロディと最高に味わい深いグルーブが備わってるから、
「最高の」ロックンロールアルバムか。

『僕の歌声は人を選ぶそうだから/調子をこくぜ/僕は人を選んでる』
こんなフレーズ、涙が出るよ。

柴田隆浩(忘れらんねえよ)
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一言で言えば「底なし」。本作に鳴る音楽は一個人のソングライターが抱えて然るべき世界観をとうに超えている。
曲調、プレイ、はたまた声色。「使い分け」と言う言葉では到底足りぬ冒頭3曲の落差を筆頭として、
ポップである事のみを律に予想し得ない多重人格的楽曲の数々が聴き手を心地良い目眩へ誘う。
黄金の形にも色々あると言う事だろうか。
これは長澤知之と言う名の迷宮。とにかく深淵、そして広大。聴けば聴く程迷い込む。

庄村 聡泰([Champagne])
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長澤へ
大分会ってないけど、元気かな?
ぶつかり合うアイデア、斬新なアプローチ、新しい世界、誠実な言葉たち・・・AL『黄金の在処』で沢山体験させてもらった。
今の長澤は、“あの頃の長澤”より、数十倍すごい怪物だとおもうよ。
たくさんの人に届くことを祈ってます。

スガシカオ
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「天才肌は生きづらい」というのが第一印象だった。
「天才なのにすごい生命力」というのが、共演した時の第二印象。

そしてこのアルバム。
時に甘く、それでいてフリーキーな歌声が、豪華で多彩なミュージシャン陣の中で暴れまわる。
三度目の出会いは、その才能を思い知らされるものだった。
四度目があるなら再び共演を熱望する。

この世界や日常が、なんだか腑に落ちないと感じてる人は聴いてみるがいい。

田中和将(GRAPEVINE)
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高校生の時に長澤さんの音楽に出会ってから、一年前に福岡で対バンできたときには嗚咽でろくに挨拶もできませんでした。彼は今作で更に人を巻き込み、惹きつけて止まないことと思います。すっと私を迎え入れて下さった音楽の懐の深さが、ヘッドフォンからスピーカーから溢れ出てくる一枚です。
最後に、素敵な音楽を、いつもありがとうございます。
つのより。

津野米咲(赤い公園)
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“俺、このアルバム大好きだ”。それが第一印象で、数ヶ月聴いてみても結局それに尽きる。どうしようもないコメントだけど、僕にとって大切な物に出逢ったときは概ねこんな感想です。ビートルズもエリオット・スミスもそうだったな。一生付き合える音楽をありがとう。

戸川健太(Player)
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「黄金の在処」ハッとするアレンジと音、曲、詩の世界観全てが、
長澤くん自身の成長を感じられるアルバムだと思いました。
これまでの作品とは明らかに違う何かに
何度も繰り返し聴きましたが、かっこ良いこと
には違いないのです。素晴らしい!

TOKIE
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誰もが人生で探している「黄金の在処」。僕はその「黄金」を「幸福」に置き換えて、
今回のアルバムを聴きました。音楽家として新しい扉が開いた今回、デビュー以来
長澤くんを追いかけている編集者として、このうえない「幸福」に出会えた瞬間です。
これからもよろしく。

徳山弘基(ロッキング・オン・ジャパン編集部)
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自身の武器により一層の磨きをかけて作られた曲たちは、キラキラと輝いてみえます。2ndフルアルバム、発売おめでとう!

ベーシスト仲俣和宏(downy)
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どんなに辛い場面でも
どんなに汚い言葉でも
長澤君が唄えば
こんなにも優しい気持ちになれる
やっぱり凄いよ 長澤君

藤井敬之(音速ライン)
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同い年ということもあってか勝手にすごく親近感もっているのですが、僕にないものをたくさん持ちすぎていて、ジェラシーではないですが兎に角魅力的な人だと思いました。
素直でいることの格好良さ、なかなか出せるものではありません。しかしこのアルバムからそれが悔しい程にストレートにバシバシ伝わってきます。
あ、やっぱりジェラシーです。その魅力、ちょっとわけて欲しいです。
素敵なアルバムに参加させてもらえて光栄です!リリースおめでとうございますー!!

堀川達(Nabowa)
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長澤知之の音楽はサグラダ・ファミリアのような印象。大局的な設計図に導かれた時代毎の建築家がガウディの構想に寄り添うように描き、数々の繊細で輝くレリーフが未完成のようで既に完成された一つのライフワーク作品として織りなす。それが「黄金の在処」です。

Percussion.正木健一“まさけん”
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あの日の私たちは、煽り&煽られ、高速ビート&祝祭的グルーヴ、楽しい楽しいセッションでしたなあ~。

松下敦(ZAZEN BOYS)
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初めて一緒にスタジオに入った時は「中2のカップル」のようでしたが、
2曲目録る時には完全に長澤君がバンドメンバー化してました。笑
とにかく制作が楽しかったです。
この溢れ出る楽しかった感、音に出ちゃってますね!

山本啓(Nabowa)
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先に言っちゃうけど、俺は長澤くんの音楽世界が大好きだ!
そしてこのアルバム「黄金の在処」は個人的ライブラリーの傑作の欄に並びました!
長澤くんの曲は常に心が揺さぶられ、聴き終わった後に元気になるんだよな~!
改めてこの素晴らしいアルバムに参加できたことを誇りに思います!

吉田佳史(TRICERATOPS)
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長澤知之さんとコラボさせていただけて、誠に光栄です。
制作もすごく楽しく、今までにないものができたと思いますので
みなさんぜひぜひ聴いてみてください(・ω<)b

れるりり
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今が一番いいんじゃないですか?長澤くんは。
その世界観については今更な感じなので、このニューアルバムの中の
今んとこ俺的ベスト3を挙げてもいいですか?
「あんまり素敵じゃない世界」「スーパーマーケット・ブルース」「あとの祭り」です!
影響されていいですか?

和田 唱(TRICERATOPS)

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